ST−7ME 冷却CCDカメラ

ST-7ME 0.4M Pixel Cooled CCD Camera
                                    2003.06〜                 

ST7Eに、Kodak社の最新型CCD、KAF402MEを搭載しました。
KAF402MEはフロント照射CCDながら、ピーク量子効率80%以上を実現し、裏面照射型CCDに迫るほどの感度を得ているCCDチップで、とりわけ青感度の向上が見込まれます。
ST7Eにこの最新CCDを搭載し、新型と同等の感度を持たせて甦らせました。
MEチップへの交換サービスは現在ではSBIG/国際光器でも行われていますが、個人的には少々国内価格は折り合いが付かなかったことと、梅雨の間に換装してしまいたかったことから、今回は、自分でCCDの換装を行いました。

体感での感度アップは感じられまいと思っていましたが、とりわけ、感度上昇の著しい青フィルターでの撮像では、はっきりと感度アップが感じられました。
ただ、若干、ホワイトスポットが増えたようにも見受けられます。
また、アーティファクトなど、MEチップ特有の問題もあり、手放しでは喜べない面もあります。

もっとも、そうはいってもやはり基本感度のアップは、画像1枚当たりの露出時間を短く済ますことができますし、そうなれば彗星の撮影も容易になりましょう。
また、ST7Eでも不足気味だった、ナローバンドフィルタによる撮影も少しは楽になるはずです。
さらに、暗い系外銀河もこれまで以上に写し易くなり、カラー画像化では特に青感度向上が効いて、より美しい色彩が得られやすくなりそうな手応えも感じています。
もちろん、F値の暗い光学系もぐっと使い易くなります。
それもあって、明るいが収差が残るF4コンビ(R200SS・・・コマ収差が・・,100SDUF・・・色収差が・・)は手放しました。
ナローバンドまで考慮すれば、少々早計だった気もしますが、通常撮影に限って言えば、ややF値は暗くても、収差が少ない光学系の方が美しい映像ができますからね。
ホンネを言えば・・短波長感度が上がったとなっては、青色収差の大きい100SDUFではややMEチップの性能を活かせそうにありませんでしたから、ね。
もっとも、彗星用に328は残してありますし、解像力の低下は懸念される(300mmはやや短い!)ものの、明るさが欲しければ328でナローバンド撮影も可能です。うん、問題なし。

少々話が逸れてしまいましたが、いずれにしても、今後、様々なシーンで活躍することでしょう。
なにやら機材が増えてきましたがメインカメラであることに間違いはありません。

(2008.11)
ST7Customとして活躍してきましたが、CCDにノイズが載る様になったため、KAF1603ME/KAF1602Eでの運用を諦めて、
KAF402MEを再度搭載し、ST7MEとして復帰させました。
室内テストでは正常そうなので、今後、また使用していくつもりでいます。
滞りがちになってきた、系外銀河巡りに使っていこうかなと思っています。


ST7MEでのファーストライト画像です。
撮影時は梅雨の晴れ間に撮影しましたが、透明度が大変悪い状態でした。
しかし、そのような中でも、見事な映像を得ることができました。
とりわけ、青色の透明感ある色彩は、短波長側の感度アップの賜でしょうか。

今後の撮影がとても楽しみです。
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