■SBIG ST-4■

SBIG ST-4 0.03M Pixel Cooled CCD Camera

                  1994.05〜

1994年5月購入。 オートガイダーとして草分け的存在であると同時に初のアマチュア向け天文用冷却CCDカメラでもあります。
その画素数はわずか3万画素しかありませんが、CCDチップ自体はTI社製TC−211という感度の高いものを搭載しています。フィルムでの感度に直すと、ISO20000もの超高感度です(説明書によると)。
実際、ST7Eのセルフガイドチップにも同じCCDが使われていますが、メインチップ(KAF401E)と比較しても、相当に感度が高いことが判ります。(ただし、ノイズも相当に多いですが)

3万画素という画素数もST4が出た当時(1989年)のパソコン事情を考えると、ちょうど良いスペックでした。 現在では撮像することはほぼ皆無ですが、オートガイダーとして多用しています。
軽いCCDヘッドもなかなかに良く、惑星撮影にも使ってもいいかも?なんて思ったり、思わなかったり。
ST7Eのセルフガイドでそのオートガイダとしての使用頻度もめっきり少なくなりましたが、しかし、NarrowBandフィルタによる撮影や、彗星撮影時の核ガイドなど、まだまだST4を使用するシーンというのも確かにあり、手放せない機材です。

冷却CCDカメラとしてのST4の性能は今となっては、非常に低いといわざるを得ませんが、
しかし、それでも、当時は、4等星がやっとという町中からでも、暗い銀河を見事に描き出し、感嘆しました。
意外と銀河も写るもので、M天体だけではなく、NGC型番のマイナーな天体もいくつも写しています。
対象によっては案外見られるものになってしまうため、新たな冷却CCDカメラ購入を考えるようになってからも躊躇する要因になってしまいました。
結局、新しく冷却CCDカメラを購入する決意をしたのは、1997年・・へールボップ彗星を写すため、でした。
しかし、経験不足から、結局世紀の大彗星も良像は得られずじまいに終わってしまいます。
もし、冷却CCDカメラ、購入を決意した半年前に購入しておれば、もう少しは良い映像を残せたであろうにと思うと少々残念です。

また、ST4でも三色分解合成によるカラー画像にも挑戦しています。
今思えば、赤外は透過させっぱなし、組み合わせも、写り重視ということで、CometT,Po0,R1という、赤外線はどれも素通し、Po0に到っては、赤も透過というもので、とうてい三色分解効果が得られるものではありませんでしたが、結果はともかくとして、ここでの経験はその後の撮影・画像処理に大いに役立ったと思っています。

下の画像は、M17以外は、全て、MIZRLの初心者向けの13cmF5.6反射望遠鏡をEM-10に搭載して撮影したものです。ガイドは半自動、導入もすべて、自力で導入していました。
ST4のCCDの中でも特に狭い領域(ST4のサイズは2.6mm×2.6mm)に対象を導入するのに、とても苦労して、導入だけに2時間もかけた・・なんてことも多々ありました。
また、ST4での映像は神奈川県相模原市・・首都圏のベッドタウン、50万人都市での中での撮影でしたが、そのような光害溢れる中での撮影にも関わらず、
案外淡い天体まで撮影でき、当時移動手段を持たなかった私にとってはありがたいものでした。

ST4ギャラリー

Hale-Bopp彗星 小亜鈴星雲
木星 M78
ソンブレロ銀河 M80
M108 ハッブルの変光星雲
M109 NGC2236
M13 NGC253
白鳥星雲 NGC2903
かに星雲 NGC3628
オリオン座大星雲 まゆ銀河 NGC4490,4485
オリオン座大星雲 翼 NGC891
子持ち銀河 ドーナツ星雲
黒眼銀河 de・Vico彗星



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