■MT−160■
タカハシ製 D=160mm f.l=1000mm F6.3 Newtonian
                              2000.05〜

2000年5月に知り合いの方より破格で譲っていただいた望遠鏡です。 良く見える望遠鏡で、土星の切れ味は所有している望遠鏡の中で最もシャープです。
FS-128には及びませんが、充分にシャープで、この望遠鏡がなければ惑星の撮影をすることはなかったでしょう。
星野写真では焦点距離1000mmとやや長いこともあって、系外銀河や球状星団巡りには最適な望遠鏡です。
やや小さめな系外銀河でも、それなりに写ってくれるので、満足しています。
この望遠鏡でうまく撮影することが当面の課題です。

なお、ST7EではAstroのフィルタBOXを併用するとピントが出ませんでした。 多彩なフィルタリングはできません。
また、F値がやや暗いこともあって、色信号はR200SSで撮影し、LRGB合成を行っています。
別々の日に光学系を換えて撮影しなくてはならないので、面倒そうに思われるかもしれませんが、セルフガイドなので、RGBフィルターをかけた際にはガイド星探しがやっかいな問題になります。 少しでも視野の広くなるR200SSの方がガイド星探しが楽になり、トータルで考えれば効率的です。
R200SSは譲ったため、色信号をR200SSで得ることはできなくなりました。
が、しかし、やはりRGBでは多少なりとも視界が広い方がガイド星探しの面で有利ですし、写りも良くなるので、
今後はレデューサーで色信号を撮ることにしようと考えています。

レデューサ使用で、F4.8。
S2PROにも都合が良いスペックとなります。

2004年現在、もっとも、性能が出せている望遠鏡であります。 レデューサー入りの場合、シンチレーション等の面からも扱い易い、といって、解像力も充分あるということもあり最も多用しています。また、接眼部も滑らかで合焦を確実に行える点など、使い勝手の良さが結果に結びついています。

デジカメのAPSサイズのセンサとなると、周辺像が放射状に崩れてしまい、あまり向いていない様です。
ST7Customの1インチサイズでも少々、最周辺では崩れ気味になります(充分使えますが)
ラージフォーマットのCCD/CMOSを使うには、それに応じた光学系が必要ということなのでしょう。

2017年追記===================================================

デジタルカメラへはMPCCの様なコレクターレンズを使うことで十分な撮影ができることが判りました(APS-Cサイズまでしか確認していませんが・・)
口径がやや小さいなと感じることはあるものの、暗い遠方の銀河の訪問撮影から、惑星撮影にも絶大な威力を発揮。
また、取り回しのよさから、観望会や天文現象の撮影と、非常に多岐に渡る用途に使っています。

MT(マルチプル・テレスコープ)の略に恥じない、すばらしい機体だと思っています。
撮影だけで考えると、ε200に劣る面がありますが、その汎用性は極めて高く、未だに主力機として確固たる性能を有しています。

良くを言えば、SkyExplorer赤道儀に搭載できるくらい軽量だとさらに活用性が増して最高なんですけどね。





MT160での作例は多数あるため、代表作は迷ってしまいますが、
やはり系外銀河を揚げておきましょう。
レデューサーを使っているため、焦点距離が768mmですが、なかなか綺麗に撮れたと自負しています。

今後も系外銀河巡りに、惑星撮像に、散光星雲の高クオリティ画像撮影に、と様々なシチュエーションで活躍してくれることでしょう。
 
 
 MT160はその汎用性の高さから、観望会にも大活躍です!
一時期のみ、NA140SSfにその座を渡したこともありましたが、やはり暗いF値のニュートンはその口径と見え味から、
観望会に向いていると感じました。光軸調整も楽ですからねぇ〜。使い易いです。
 
 2011.9.10 1:57頃
MT160+PowerMate×5 DMK21AF04/RGB:DFK21AF04

もちろん、惑星撮影にも好適な望遠鏡です。惑星撮影専用に、昔、TA160というF8仕様の機体やKOEI社からも、高精度ミラーの限定モデルが出されていたと記憶しています(いずれも、1990年代前後だったと思いますが・・)が、ノーマル機でも、見事な惑星を見ることができました。
このあたりは、流石、タカハシ!といったところで、これに当時(1980年代)で対抗できたとすると、MIZARのRS20モデルだけでしょうか。ただ、短焦点仕様しかなかったのが残念。
MIZARも、後年(1990年後半)に、15cmF6.7モデルを投入していますが、ちょっと状況的に遅かったかなと思います。
こちらのRS20Verも天文ガイド広告では見たような、見なかったような・・・。どうだったんでしょうかね?
いずれにしても、VixenR200SSが、短焦点ながらも良く見えましたから、話題性に欠ける機体だったと思います。
あとは、ニュートン反射といえば、日本特殊光学のPN-185。これも名機で、たまにみかけますね。

MT160と鏡筒が同径と聞いたので、一時期、知り合いから譲ってもらって、MT160に組み込む、という、MT180計画を立てたこともあったのですが、検討しているうちに知人が先に手放してしまい、実現しませんでした。
プランとしては面白いかなと思うんですけどね。
同径なら、穴だけ鏡筒に開けて、主鏡セル毎、まんま換装できると話は早いですからね。
MT160のしっかりした鏡筒で、口径UpとF値向上を図るという・・・。ただ、ミラー精度は、やはり日特よりタカハシの方がいいと思うので、汎用性の高さ、という点では劣った機材になってしまうか・・
ただ、MPCCを使ったデジタル一眼レフカメラでの撮影では面白いものになったかもしれません???

反射望遠鏡もいろいろとつかってきましたが、やっぱりタカハシの鏡筒は造りが良く、最高だと思います。
 
 星ナビ 2009年2月号 入選作 フジ FinePixS2Pro 獅子ヶ鼻公園にて

もちろん、デジタル一眼レフカメラで使っても、入選を勝ち取るだけの性能と実力があります。
この時は、純正レデューサを使っての撮影だったと記憶しています。S2Pro特有のOIIIラインの色彩が独特で、面白い

 
 星ナビ 2015年10月号 採用作 デジタルカメラ フジ X-E1 MT160 with MPCC UHC-Eフィルタ使用。

ネビュラフィルタを用いて、亜鈴状星雲M27をX-E1(未改造機)で狙ってみました。フィルタのおかげか、自宅からでも、思った以上に綺麗に写ってくれました。
この写真ではトリミングして強拡大してありますが、実にシャープに、構造も良く写っていると思います。
フィルターワークも駆使して、自宅からではあるものの、最高レベルの天体写真を撮ることに取り組んでみました。
デジタルカメラの進化が伺える作品で、冷却CCDカメラの存在意義を問えるだけのクオリティはあると思います。
 ST10XME 冷却CCDカメラ ぼうらや駐車場にて ST10XME Teleskop コマコレクター使用

とはいえ、やはり冷却CCDカメラも負けていません。このディテールと表現力・・・!未改造デジカメでは特にHII領域は埋もれがちになりますが、しっかりと描出してくれてこの色彩、この描写、この切れ味・・!これこそ冷却CCDカメラの醍醐味だと思います。
もっとも、46MPフルサイズ裏面照射型デジタル一眼レフカメラや、42MP裏面照射型ミラーレス一眼がある現在では、少なくともプリントレベルでは、ST10XMEは勝ち目がありませんが・・・(実際、この作品は落選。2012年撮影で、そこまで先鋭的なデジカメは存在してませんでしたが・・・D800Eはあったかな?)
 
 

NGC4631とNGC4656 MT160反射望遠鏡 ST10XME 冷却CCDカメラ MT160反射望遠鏡 MPCC使用

こちらも自宅庭からの撮影なのですが、やはり銀河の撮影となると、デジタル一眼よりも冷却CCDカメラに分があると考えています。
どうしても、フィルターワークで、というワケにもいかないですからね。冷却CCDカメラの底力で、この描写力。

口径16cmとディテール描写にはやや物足りなさが残る口径ではあると思うのですが、それでも、ここまで描き出せるなら、十分、満足に足るものだと思います。
つくづく、MT160の口径と焦点距離、汎用性の高さには驚きます。
素晴らしい機体で、タカハシが設計したのは、もう、40年近く前になると思うのですが(1980年前半の機材かと)、今なお、万能機足り得る性能を有しており、かつ、その安定度から、中国製ニュートン反射に代替できるものでもありません。

またタカハシから良いニュートン反射が販売されることを期待したいところです。
しっかりとした造り、不安定な反射望遠鏡を実用レベルまで高めた優れた鏡筒がタカハシの売りだと思ってます。


           

 

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