SXV-H694 冷却CCDカメラ

SXVR-H694 6M Pixel Exview HADCCDU Cooled CCD Camera
                                    2012.05〜
非常に高感度のCCD、ExViewHAD CCDUセンサICX694ALGを採用した冷却CCDカメラです。
その高感度ぶりときたら、ST8XMEと同等のQ.E(量子効率)を有しつつ、こちらは、ABG付きで、干渉用天体写真向けになっています。
さらに、やや高精細すぎるきらいはあるものの、高精細画素ということもあり、ST8XMEとここのところ、取り組んできた、オライオン30cm反射望遠鏡での撮影で、やや分解能に物足りなさを感じてたところということもあって、購入に踏み切りました。
K-Astecさんより、モニター価格で良いよ、と仰って頂いて、背中を後押ししていただいたところも大きいですが・・(^^ゞ

カメラは非常に小型・軽量で、とても使いやすいです。
また、ダークフレーム等不要!と豪語していた、スターライト社の製品だけに、徹底的にノイズを抑えてあることは想像に難くありません。実際、Sony製センサーも低ノイズですし、使い勝手の面からも、大幅に使いやすいカメラだと思います。



 波長         KAF8300E  KAF1603ME ICX285AL ICX674ALG
400nm 38% 43% 36% 65%
450nm 45% 50% 52% 72%
500nm 52% 52% 66% 76%
550nm 55% 67% 65% 74%
600nm 50% 72% 62% 74%
650nm 47% 82% 56% 66%
700nm 42% 70% 45% 54%
750nm 35% 53% 35% 43%
800nm 27% 50% 25% 28%
850nm 20% 35% 15% 20%
900nm 13% 23% 12% 12%
950nm 7% 15% 8% 6%

ざっくりとQEのグラフを目視で読み取ったいい加減なものですが・・・
実際に、QE自体、表記はTypical、代表値ですので実際のセンサでは多少増減はありますから、あくまでも傾向を見るのが目的です。
こうしてみると、可視光に限ると、ST8XMEに対しても大きなアドバンテージがあることが分かります。
反対に、ST8XMEは赤外領域で大きなアドバンテージがありますから、ボクが好んで撮影している赤外三色分解などは、やはりST8XMEのお世話になることになります。
もっとも、エアリーディスクの問題もありますから、仮にSXVR-H694のQEが高かったとしても、赤外領域ではビニングして使うことになります。


また、SXVシステムも継承しており、SXV-Guiderを活用できることもあり、
比較的、安価に、システムの再構築が図れそうという点も大きかったです。
(結局、使い勝手の面と、ユーロ安から、LodeStarを発注しちゃいましたが・・ ^^;)

2012.7末現在、OAG9、薄型オフアキシス装置と組み合わせ、オライオン30cm反射での遠征運用システムを検討中です。

SXVR-H694による作例です。
ファーストライト画像ですが、以降、天候に恵まれず、撮影が全くできていませんが・・
4.54μと高精細画素ということもあり、非常に高分解の撮影ができています。
また、ST8XMEの時は、Deconvolutionを用いて、限界解像を引き出していたのですが、SXVR-H694では、もともとが高精細画素であることもあり、Deconvolutionの必要性を感じませんでした。
ただ、フォトン数を考えると、Deconvolutionを行えるだけのS/Nがあるかどうか、まだやや不明な点もあります。
しかし、感度も高く、オライオン30cmとの組み合わせでは、想定以上の性能を発揮してくれそうです。

ただ、画素が細かい分、ガイドもピントも大変!
そこが一番のネックかなー (^^ゞ
使いこなせる様になれば、ボクにとって最高のカメラになると思いますので、頑張ります!
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