■Vixen NA140SSf■


Vixen D=140mm f.l=800mm F5.7 NeoAcromat
                   2007.10〜2009.4

デジタル一眼レフによる撮影を行う様になってくると、周辺星像の良さと、光軸を気にしなくても良い取り回しの良さにあこがれて、屈折望遠鏡が欲しいなと思う様になりました。

と、いっても高価なアポクロマート屈折はとても手が出ません。
その中で、白羽の矢を立てたのは、ビクセンが誇る(?)ネオアクロマート光学系です。

このレンズは、名称こそアクロマートですが、実質的にはセミ・アポクロマートと言えるかもしれません。(但し、セミアポの定義は、あいまいで、はっきりとした定義はないようですが)
また、4枚玉変形ペッツファール光学系ですから、
球面収差にコマ収差を抑えたアプラナートレンズです。
デジタル一眼の視野でも充分な星像を結ぶことが想像できます。

それとなんといっても、口径です。
14cmもの口径と800mmの焦点距離、そして、F5.7の明るさはやはり武器だと思うのです。
系外銀河の撮像にも一役買ってくれるのではないかと期待しています。
仮に14cmのアポクロマートともなれば、6,70万円を超えるお値段になることを考えると、本機の13.5万円というのは破格だと思います。

まだ、購入したばかりであまり使う機会に恵まれていませんが、今後、デジタル一眼による主力機としてどんどん撮影に使っていきたいなと思っています。

購入して約半年経ちましたが、手軽に使える観望兼撮影用機材として、使用頻度は手持ちの望遠鏡類の中では一番多くなっています。


2009.4追記

写真性能は気に入っていたのですが、眼視で見た時に、どうしても、非点収差(?)が出ているのが気になりました。
どうも、光軸がやや狂っているのではないかという気がします。
せめて光軸調整ネジがあればなんとかするのですが・・・残念ながら、組み立て精度に依存するタイプで調整ネジはありません。
したがって光軸が狂っていたら、どうしようもありません。
この望遠鏡には写真撮影だけではなく、眼視性能の方にも期待していたので、
とても残念でした。
面白い望遠鏡だったので、ちょっと悩んだのですが、眼視性能に不満が強く、
結局、この望遠鏡は知人にお譲りしました。
NA140SSfのファーストライトです。
予想どおり、色収差は良く抑えられており、APSサイズの周辺まで満足いく星像を確保しています。
NA140SSfのラストショットになった写真です。
M42をCooledKissDNに取り付けて、5分×2コマ。

屈折ならではのコントラストの高さと、明るいF値。
良く写る望遠鏡でした。
色収差はご愛敬。

明るい星像に生じるヒゲと、長い鏡筒をアリガタで
支えていた為、どうしてもたわみが生じて、10分を
越えるガイドではエラーになりやすいということは、
ありましたが、総じて写真性能は高く、良い望遠鏡
でした。

眼視性能がもう少し満足に足るものであれば・・・
自分のものがハズレだった可能性はありますが、
ちょっと残念。

NA140SSfの代わりには、MT160+コマコレクター
の組み合わせを考えています。
NA140SSfを使ってみて、改めて反射光学系のカラー
フリーの良さを感じたこともあり、デジカメ用の光学系
にも反射で頑張ってみようかと。

もっとも、この望遠鏡はこの望遠鏡でやはり味がある
写真になるので、嫌いではないのですが・・・

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