天体望遠鏡雑感  その壱 屈折望遠鏡について

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これまで、いろいろな光学系を使ってきました。
屈折、反射、カタディオプトリック・・・・その経験からの感想というか雑感を作例を交えて書いてみたいと思います。
まずは屈折望遠鏡から・・・。
                                                                                
フォトコンテストの入選作の大半が高性能屈折望遠鏡によるものです。
基本的に光軸調整はメーカーズアジャスト(一部修正機構がある製品もあるが)でありメンテナンスフリーで使い勝手がとても良いという点が挙げられます。
また、高価格帯製品は特にそうですが、基本的にどの機種もしっかりとした造りであり、撮影用途にも十分な性能を有しています。
また、なんといってもコントラストが高い!その為、実は光害がある中でもコントラスト良く撮影・観望することが可能です。(下写真参照)

NA140SSf 自宅にて。 Cooled KissDN 5分×17コマ

欠点としては、良く知られている点としては、色収差が挙げられます。
青ハロをはじめとしてシャープネス低下など、悪影響が大きく、画質、とりわけ解像力に悪影響を与えます。
また、昨今のデジタルカメラでは色収差が敏感になっていることもあり、従来のEDガラス(FK-01.FPL-51)搭載機でも、色収差補正に不満を残すことがあります。
ただし、ここは使い方次第の面もあって、アクロマートだから必ずしもダメだとは言い切れないと思います。
狙う被写体と作画まで考えた上で判断するのが良いでしょう。

馬頭星雲 NA140SSf Cooled KissDNにて。VRフィルタ(色収差対策フィルタ)使用

VRフィルターの効果もあるが、思いの他、カラーセンサでは色収差は目立ちません。。
アルタニク周りの大きなゴーストはVRフィルターとLPS-P2の2枚の干渉フィルターを使用した為。
どちらか1枚の使用なら問題ありません。

なお、NA140SSfは変形ペッツファール光学系の4枚玉であるため、APSサイズのセンサを、周辺まで見事に、
満たします。
モンキー星雲 NA140SSf SXV-H9にて Hα+R画像 かに星雲 シュワルツ150S(15cmF5アクロマート) ST7ME SC64使用(※RGB画像はR200SSにて)

モノクロセンサでは各フィルター毎に星像の大きさが異なる為、素のままでは美しい映像は得られません。
ただし、モノクロでの表現や、あるいはLRGB法がある現在では、R64を使用し、さらにRGB画像各色毎にピントを出し直す等の工夫により、
色収差という欠点を大幅に緩和することができます。
いずれにしても工夫次第と思います。

PENTAX 100SDUF ST7Eにて。 
いかな、SDレンズ(S-FPL53)採用機といえども、口径10cmF4の光学系では色収差は工夫無しでは無視しえません・・。
星像周りのマゼンタハロがかなり目立つ。IDASのtypeVフィルターの為、ハロが紫色になっています。
BORG76ED クローズアップAC No2 ST7Custom
フィルターはtype2。F6.6と屈折望遠鏡としては現在では標準的なF値とも言えますが、明るいF値であることには代わりなく、
若干青ハロが目立つかもしれない。人によっては気になるかもしれませんね。
とはいえ、十分に実用に足る性能だと思います。BORGは良く出来たいい望遠鏡です。
M33 FL80S+専用レデューサ SXV-H9 LRGB合成カラー画像

さすがに、フローライトレンズを採用した長焦点F8屈折望遠鏡では色収差は見られません。
とてもシャープでカラーフリーな映像を得ることが出来ます。

それと反射と比較して、良像範囲が広いと考え勝ちであるが、実際には2枚玉、3枚玉ではAPSサイズを満たすことは出来ない。

ZenithStar66SD F5.9直焦点 FinePixS3Pro 2分×1枚

対物レンズが明るくなる程、周辺星像は大きく崩れます(もちろん、設計にも依りますが)。この機体は眼視では非常に良く見えるのですが、直焦点撮影では、
APSサイズはとても満たせません。
優秀なレデューサレンズが必要になってきます。WilliumOpticsでは専用フラットナーレデューサが用意されていますが、
安価な中国製をはじめとする機種を検討する際は、必ず適した補正レンズがあるかどうかも検討しましょう。
F値が暗めな光学系は他社製レデューサを流用することでも、良い結果を得ることができると言われています、周辺像まで完璧な性能を求めなら、専用補正レンズがある機種の方が無難ですが、フォーマットサイズが小さい冷却CCDカメラや、あるいはフォーサーズのカメラであれば、そこまで神経質になる必要は無いかも知れません。また、周辺は多少流れても仕方ないと割り切れるなら、それでもいいでしょう。
その点も考慮して機材を選択すると良いでしょう。

FL-80S+専用レデューサ CooledKissDN 50%縮小 左端スミ

星像が周方向に崩れています。専用レデューサといえども、APSサイズを最周辺まで星を○くするには、
いかに困難か判るかと思います。
周辺星像まで求めるのであれば、高価であっても、撮影用に設計されている光学系を選択した方が良さそうです。

●光軸について
一般的に屈折望遠鏡は光軸調整は不要とされています。
しかし、本当にそうでしょうか?
下の作例は、ビクセン製FL-80Sを使用して、APSサイズのデジタルカメラを装着した時の比較写真です。

光軸調整前
APSサイズの左上、50%縮小後にトリミングした画像です。斜めに走っている回折像はピント合わせに、
使ったままで外し忘れたものです (_ _|||)
しかし、星像が斜めに伸びているのがお分かりになるかと思います。反対に右下は割と良好で、光軸に
起因しているとすぐに判りました。
光軸調整後
こちらは光軸調整を行った後の写真です。
盛大に伸びていた星像が大きく改善しているのが、判るかと思います。

ご覧の通りで、光軸が周辺星像に与える影響は非常に大きいのがお分かり頂けると思います。
昨今の屈折望遠鏡では、アポクロマート化、大口径化、短焦点化が促され、光軸によりシビアになっているのが現状です。
笠井の光軸調整読本にもあるように、実際のところ、メンテナンスフリーとはいかなくなってきているのが現実の様です。
光軸調整機構がある鏡筒であれば、自己調整が可能ですが、しかし、最近の大半の製品は、光軸調整機構は無く、工場での組み立て精度で光軸が決まってしまいます。
この様な機体は、ネジが無いので、光軸が狂いにくい反面、万が一ずれた場合には、ユーザサイドでの光軸調整はほぼ不可能です。
相当な知識と根気があれば不可能ではないですが。
実のところ、私のNA140SSfは眼視で見ると若干ですが、光軸がずれており、若干星像が気に入りませんでした。しかし、光軸調整機構が無く、光軸の調整もできません(実際のところあったとしても、4枚玉ではレーザは使えないし、星像をみながら合わせるしか無かったのでなかなか難しいのですが・・)。
やむなく、知人に譲ったのですが、知人は接眼部が若干、傾いていることを突き止め、直してしまいました。(どうせなら、修正を依頼すれば良かったと後悔)
また、最初は光軸があっていたとしても、使用しているうちに経年変化や、振動、ぶつける等の取り扱いの悪さで光軸が狂うケースもあることでしょう。
その場合、光軸調整機構が無い機材では修正することは非常に困難です。
高額製品だけに、長年使うことも考えると、光軸調整機構の有無も重要な要素と考えます。
あるいはしっかりとしたメーカメンテナンスを期待できる製品を選ぶのが良いでしょう。

光軸については、もっとも寛容な光学系であり、一般的な2枚玉屈折なら、比較的調整もしやすい。
ただし、凹、凸のそれぞれのレンズの軸芯やレンズ同士の傾き(アオリ)が狂っている等の場合などでは、ユーザサイドでの調整はムリがある(実際、光軸調整ネジ付きのセルでも、この部分はいじれないと思う)。
TOA130等は光軸調できる整箇所がありますが、まあ、まず、いじらない方がいいでしょう。

●接眼部について
昨今、流行の屈折望遠鏡の接眼部の多くはクレイフォード方式を採っています。
しかしながら、この接眼部について、いくつかの製品をみてきましたが、正直なところ、観望用途としては非常に軽快かつ滑らかな動作は、とても使いやすいのですが、重たいカメラを接続するのに適している製品とは言い難いと感じています。
もちろん、製品によって善し悪しの差があるのはラック&ピニオン方式と同じでしょう。
しかし、知人からの情報も含め、自分が知る限りでは、重たい冷却CCDカメラや、重量級のデジタル一眼レフ(特に冷却改造デジタル一眼レフ)を扱うには、やはり役不足という結論を出さざるを得ません。
反対にラック&ピニオン方式であれば、それなりのモノ(R200SSに採用されている程度のもの)であれば、撮影に支障をきたすことはありません。
タカハシ製品はさすがに最高で、とても使い勝手が良く、重たいカメラであっても実にスムースに使え、かつ、ガッチリと固定することが出来ます。
昔のミザール製品に採用されているものはさすがに少々、難を感じます。ロックネジを締めても、動いてしまうモノはさすがに撮影には厳しい。

ヘリコイド方式としては、PENTAXのSDPシリーズのものはさすがに最高性能ですが、BORG製品は重たいカメラを繋げるとやや渋くなる傾向があります。
しかし、重たい冷却CCDカメラであっても、十分に実用に足ります。

重量級カメラでの扱いを考えているのであれば、接眼部もしっかりと検討する必要があります。
KissDigital等の比較的軽量級のデジタル一眼レフカメラであれば、クレイフォード方式でもさほど心配は要らないでしょう。
高級デジタル一眼レフ、冷却改造デジタル一眼レフ、冷却CCDカメラでの運用を考えた場合には非常に重要な要素となります。

●ピントの温度変化に伴う移動について

屈折望遠鏡の最大の欠点はなんでしょう?
恐らく多くの人は色収差を挙げることでしょう。それについては否定しませんが、個人的にもっとやっかいと感じているのが、
外気温変化に伴うピント位置の移動です。

FL-80S+レデューサ 初代EOS KissDigital(赤外カット改造)にて

上の画像はピントを出した直後に撮影した写真で、下は約1時間後の写真です。
よーく見ると、下の写真では星像が肥大しているのがお分かりになると思います(ガイドも悪いみたいですが・・星像自体も肥大しています)
撮影は4月に行ったものですが、外気温の変化で、2℃ほど温度が変わった為にピントが若干ずれてしまったようです。
フローライトクリスタル(蛍石結晶。結晶材料である為、熱膨張率がガラスより大きい)を採用した光学系では、特に、温度変化に敏感で、1℃の温度変化でもピントが狂うと仰る方もおります。
EDガラスであれば、多少緩和されるものの、それでも、3℃も温度が変わってしまえば、ピンぼけです。
もちろん、光学系のF値と、カメラの画素サイズにもよりますが・・。

初代KissDでは、画素サイズが約7.8ミクロンであることを考えると、最新機種の画素サイズが4ミクロン代のカメラではさらにその許容量は半分になっているわけですから、さらに温度変化にシビアーになっているハズです。

その為、良質な写真を得る為には、被写体ごとにピントを合わせる、外気温変化を見て、ピント位置を調整する(ヘリコイド接眼部なら可能か・・)等の対策が必要になります。
また、結露防止を兼ねて、対物レンズをヒーターで暖めると、外気温変化よりもヒータ温度による影響の方が大きくなりますから、外気温変動には強くなります。
ヒータ温度制御までできれば、ピント位置の移動はほぼ気にならなくなるのではないでしょうか。
もっとも、そうはいっても、鏡筒の方も熱膨張で、温度の伸び縮みがありますから、どのみち適宜対応は必要になりますが、それでも、ニュートン反射並になると思いますので十分に実用に足るようになるでしょう。
筒がカーボン等の温度変化に強い素材であれば、完璧ですね。

●まとめ

ざっと、個人的に感じてる長所と短所をまとめておきます。

長所 短所
○造りが比較的しっかりとしている
○コントラストが高く光軸に強い。
○バックフォーカスが長い
○良像範囲は比較的広め
○'09年現在、国内外、様々なコンセプト、性格の機種が入手できる。
×色収差あり(FPL-53、フローライト採用機では問題ナシ)
×専用レデューサ、フラットナーが無い機体も多い(特に外国産)
×クレイフォード接眼部は重量あるカメラではNG
×3枚玉だけではAPSサイズをまず満たせない。要専用フラットナー、レデューサ。
×外気温変化によりピントが狂いやすい。
×価格が口径の割に高価(中国産は適正価格と思うが)
△光軸再調整できない機体が多い(狂いにくいので一概に悪いとはいえないが)


●使用した機材の雑感

●Vixen FL-80S

フローライト・クリスタルを採用した蛍石アポクロマート。
1980年代の製品である為、蛍石はノンコートの筈です。中古で購入する際はレンズの白濁が無いか要チェックです(自分のにはありませんでした)
フローライトは潮解性(水に溶けやすい・・・というか湿気で曇りやすいという方が判りやすいですね)が高いので、コーティングが無い旧い機材は注意です。
光学性能はすこぶる優秀!
この当時、フローライトを採用したFC-76(これも知人に借りて使ったことアリ)やその後のFSに比べても、二次スペクトルは極限にまで抑えられている様で、
色収差に敏感な冷却CCDカメラでの三色分解撮影でも全く気になりません。
当時のビクセンのカタログで相性が良いクルツフリントKzF5を採用したという唱い文句通り、最高の性能を引き出している様です。

ただし、残念ながら、対物レンズセルは薄く、光軸があと一歩というところでカクンと動いてしまいます。
この点ではタカハシFC-76に遠く及びません。
接眼部にしても、一般的なラック&ピニオンで不満は全くありませんが、然し、やはりFC-76と比べてしまうと大きく見劣りするのも事実です。

撮影するとレンズの銀箔によるものか、星にヒゲが出るのが気になります。
また、20年以上も前の機体ですので、仕方ないのでしょうが、レデューサレンズのコーティングが悪く、折角、×0.7倍、合成F5.6になるのに実効F値は暗く感じます。・・Kenkoミラー望遠に劣るんじゃなかろーか・・σ(^^;
星像はすこぶるシャープ、色収差皆無で、散光星雲をじっくりと高画質で狙うには向いていそうです。

そうそう、フローライト、CaF2といえば、今でこそ大口径望遠鏡には採用されていませんが、決してSDガラスに比べ、性能が劣っているわけではありません。
むしろ、逆な面があって、紫外線〜赤外線まで透過する素材というのは非常に貴重で、現在では半導体のステッパーレンズ等に使われており、実際、EDMUNDなどでも取り扱っていますが、フローライト望遠鏡の価格から想像するよりも遙かに高価な価格になっています。
つまるところ、望遠鏡用としては素材メーカも、望遠鏡メーカも旨みが少ないので素材提供されなくなり、SDガラスに置き換わってきたというのが真相の様です。(なので小口径用は現存してます)
フローライトなんて所詮、過去の遺物さ、という人もいるようですが、その光学性能の優秀性は未だに揺らいでいません。(と、ゆーか恐らく10年ほど前から半導体業界の需要増で望遠鏡用、ましてや大口径なんかに提供されなくなったというのが正しいのでしょう・・。)
●Vixen 60s

ガイドスコープ用として微動付きで売られていたものです。
残念ながら、強度不足で、ガイドスコープとしては、ちょっと頂けない面がありますが、しかし、眼視用にしっかりと調整されているのでしょう。
ジフラクションリングを見た時は感動したものです。
レンズはすこぶる優秀です。とはいえ、所詮アクロマートなので、あんまり出番ありませんが、もう少しは活用したいなーとは思っています。
実家に帰省したときにでも使おうかしら・・。
●WilliumOptics ZenithStar66SD

皆既日食用に購入したものですが、F値が明るい為、SDガラスといえども色収差は若干ありました。
また、明るいF値で像面湾曲が大きいのでしょう。APSサイズは到底満たせず、手持ちのレンズ群でも補正することは叶いませんでした。
悪天候のせいで、冷却CCDカメラとの組み合わせでは使わないまま手放してしまいましたが、眼視では良く見え、また、接眼部も割としっかりとしており、優秀な機材でした。
もっとも、焦点距離的に被る機材があるため、私的にはどうしても黒歴史扱いになってしまいますが(笑)
悪い機材ではないのは確かですから、あとはどう活用するか、次第でしょう。
専用レデューサは必須でしょうから、その分、価格はかさみます。その点も考慮して選択するのが良いでしょう。
それでも、FS-60Cよりも安価でかつ口径もこちらが大きいですから、ZS66SDの価値はかなり高いものがあります。
眼視では逸品ですよー。
●NA140SSf
ビクセンが誇る4枚玉ネオアクロマートレンズを採用した望遠鏡。
この望遠鏡の優れているところは、レデューサ等のシステム無しにAPSサイズをほぼ満たす抜群の性能を誇る点。
欠点は、色収差はもちろんあるのですが、やはり銀箔で生じるヒゲが観賞用としては致命的。
Vixenさんもこの辺りをきちんと考慮してくれるとありがたいのですが・・・。

ここまで読んでくれた方の為に、アクロマートレンズの使用のコツをお教え致しましょう。
まずはカメラですが、実はアクロマートでも、カラーセンサであれば、案外悪い結果にはなりません。
モノクロCCDカメラでは色収差でRGB画像に星像差が大きく出る為、苦労するところですが、カラーセンサでは、ピントさえしっかりと出せば色収差もアクセント程度になり、そう悪くはないのです(そのあたりは私の作例から感じて頂ければ幸いですが・・・)
つまり、コツの1つとしてはまずは、カラーCCDを使うという点(デジカメももちろんok!というかデジカメが一番良さそ)
次にピントです。一番シャープになる位置に合わせてしまうのは実はNGです。
アクロマートだと、色収差が大きい為、ある一点でピントを合わせてしまうと他の部分では大きくピントを外すことになります。
従って、一番シャープになるところ、ではなく、全体的なバランスを執る必要があります。
具体的には明るい1,2等星でピントを合わせるとして、輝星周りの色滲みが、赤色から青色に変わるところがあります。
赤ハロが出てしまうと非常に醜い写真になってしまいますから、赤ハロが出ない様に注意を払いつつ、青ハロに変わるところに合わせます。
そここそがピント位置です。
実際にはさらにシャープになる位置がありますが、そこに合わせてしまうと、赤がピンぼけになり見苦しい赤ハロを伴う写真になってしまったりしますから、
あくまでもバランスを大事にするのが一番です。

接眼部はfタイプなのでクレイフォードかと思っていたのですが、ラック&ピニオン方式でした。おかげで冷却CCDカメラであっても、不自由なく扱えました
●シュワルツ150S

昔使ったことがあるのですが、眼視ではすこぶるシャープに見えました。
撮影用としては、適当なレデューサを組み合わせるだけでは残念ながらAPSを満たすことは無いでしょう。
チップが小さい冷却CCDカメラ(しかも、カラーであれば)ならば、実用になるかもしれません。
1群2枚のシンプルな光学系は、透過率が高く、しかも、高コントラストで眼視であれば、町中からでも存分に天体観望が楽しめました。
実効F値もかなり明るめを呈示すると思います。
ただ、元のF値が5だと適当なレデューサをいれても効果が完全でないことが多いですので、その点は予め諦め気味の方が良さそうです。
●その他

借りてTOA130を使ったことがありますが、やはりタカハシ製品の造りの良さ、光学性能の高さを実感しました。
光学性能だけであれば、Vixenも劣らないと思いますが、実際の組み立て精度、使い勝手では、圧倒的にタカハシですね、やっぱり・・。

それでも、VixenのAX-103はとても興味深い(お値段がね・・)です。PENTAXが撤退したから出来たんでしょうかね。フラットナー入り。
しかも3枚玉ですからね。ビクセンの意欲作でしょうね。それにしてはレデューサの性能が今一歩ですが・・
なんとなく、FL-80S用レデューサの設計をまんま引っ張ってきてるような感じが・・。もう少し高性能なレデューサを出して、レデューサを入れるとF5になってFSQと渡り合えるんだぜ、ということになるともっと売れる機体と思いますが・・・。もっとも、それもレデューサの価格次第かなぁ・・やっぱりそこそこ納得が出来る価格でないと一応望遠鏡も民生品の類なので、ちょっち難しい面ありますよね。
結局、足せばFSQと同価格です、となると最初からFSQ買いますよね。
FC-76も良い機材でした。使うだけなら、10ン年前に親戚のFCT150にCV-04Lを付けて撮影してみたこともありますが・・

光害強い相模原市からとはいえ、良く写ってくれました。もっとも、12年前に撮影したものですので、今、再処理するともっと綺麗になるかも・・?
でも、この辺り微妙なんですよねえ、昔は昔でなんでこのデータからここまでの映像を引き出せたんだ?と不思議に思うこともしばしばだったり。
それはそれとして、色収差が少ない点はこの映像からも判りますね。
もっとも、当時はCV-04Lですから、青感度の低さを考えると実際どうかは判りませんが・・。

さすがに屈折は、黒歴史的な機材はほとんどないですね。
基本的にどんな機材でも、それなりに実用になるということでしょう。あとはどう使うか、どう使いこなしていくか、ですよね。
お値段と口径さえ許せれば、オススメですね。
やはり全体的に良くできてるんですよ、屈折望遠鏡は。
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