星もノイズ?


1年以上前の話しですが、天文ガイドの記事の中で、星もノイズである、と記載されていたことがありました。
星もノイズというのは、なかなか理解しがたい話しで、実際にその意味を分かった人は少ないかもしれませんね。

しかし、冷却CCDカメラによる撮像の中で、とりわけナローバンドフィルタを使っているとその話しはとても良く判ります。
ひとつ、作例を示します。

上は、冷却CCDカメラにカメラレンズを付けて撮影したIC2177です。
左は、コンポジット済みのもので、右はそれにスターシャープを適用して適度に星を消してみました。
そうすると、左では判りにくい非常に淡い星雲が浮かび上がってきました。
この様に、非常に淡い星雲を捉える場合、星ですらノイズとなり得ることがあるわけです。

今回はスターシャープで適当に処理しましたが、本来であれば、
コンテニュウムフィルターという星雲以外の波長のみを通すフィルタを使って撮影し、
それを減算することで、星雲のみの情報を取り出します。

観測目的では、不要な情報は適切に排除し、必要な情報のみを取り出すのは当たり前に行われています。
とはいえ、観賞用目的であれば、やっぱり星と星雲が共にあってこそ美しいのではないか・・・と思います。

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