MaImDLでガイド撮影


ここではST5を例にとって、MaxImDLでのガイドカメラ設定を説明します。
ST-5は、今となってはもう本当に大昔の冷却CCDカメラになりますが、SBIGの優れたガイドアルゴリズムを利用できる機体でもあります。
画象転送I/Fは、RS-232Cで非常に遅いものですが・・ガイド時はサブアレイスキャン状態ですので、この欠点は現れません。

ST-5のCCDチップ

画素数はわずか10万画素ですが、画素サイズが10μと大きいため、CCDサイズは現在みなさんが良く使われているWebカメラによるオートガイダーと同程度のサイズがあります。
また、感度という点ではWebカメラの比ではありません。10μと大きい画素サイズと冷却CCDカメラの威力で、ガイド星捕捉率はModifyWebCamよりも優れています。

MaxImDL4を起動します。現行Verは5ですが・・・ほぼ同じ感じだとは思いますので (^^ゞ

今回は、ガイドだけを行うのを目的としますので、カメラアイコンを押して上のカメラダイアログを出します。

Autoguiderの【Setup】ボタンを押してカメラを選択します。


今回は、ST-5を選択しますが、その他にもDSIやOrion SSAG等、様々なカメラを使ってガイドすることが可能です。
MaxImDL+DSLRだと、EOSも選択できるんですが・・・デジカメでもガイドできるんでしょうか σ( ̄◇ ̄;)

カメラを選択すると上記の様なダイアログが出ます。
COMポートを合わせたり、ボーレートを合わせ設定します。パラレルポート機なら、パラレルポート番号を合わせます。
USBの機種ならほとんど設定することはありません。
DSI Proなら

この様な感じで、GainやOffsetといったDSI(や、安価なカメラ)特有の設定がありますが、基本的に設定を変更する必要はないです。

ST-5はシリアルポート機ですが、USB-シリアル変換でもちゃんと撮像できます。
パラレルポートのST-5CやST237Aでは、USB-パラレル変換では使えませんので、ここはある意味利点かも。


設定完了後、Connectボタンを押すとCCDカメラを認識します。もし認識しない場合は、
カメラ設定、とりわけST-5では、COMポートを調べて合わせてください。


次に行うのはCooling、冷却です。CoolerOnボタンを先ず押して、次は、Coolerボタンをすぐに押します。
SetPointがここでは-20.0℃となっていますが、急冷は結露を招く恐れがあります。
基本は5℃ずつ、温度が安定してからこまめに下げていくことが重要です。
ここでは、SetPointが-20.0℃(前回使った設定)になっていますが、即座に5℃程度に修正し、あとは徐々に下げていく様にします。

まずはガイドカメラのフォーカス合わせです。

Focusタブに写り、●Guiderを選択(左上のCCDとGuiderのどちらかの選択)、右下のDarkのチェックは、ST-5やSXV-Guider、DSIProでは外した方が便利です。
もしいれていると撮影の都度、望遠鏡にキャップしろと言われて、結構うざいです。

Focus合わせは、EOS制御の時と同じですので、そこから引っ張ってきました。

Focusタブをクリックします。ここ、V5だとインターフェース違いますので、これから買おうと思う人だと、
ちょっと違うんですけどね・・・。
Continuousは、連続でフォーカス画像を取り込んでくれるので、転送速度が速い冷却CCDなら、チェック入れるんですが、ST-5やDSIPro等、転送が遅いカメラではちょっと微妙なところです。
ボクはチェックを入れて使いますが、人によっては、ピントを変えてから都度転送させる方が合わせ易いという方もいるでしょう。
ここは使い方の問題だけですのでやり易いと思った方でやるのが一番です。


基本的に、まず、Binningを行って(ST5やDSIProでは2×2デジタルビニングが可能)、転送速度を少しでも早めにしまず全画面を取り込みます。

次に、フォーカス合わせに使いたい星(ここでは仮想星としてルータのLED使ってます)をマウスでドラッグします。
Focusタブから、Binnningを1に戻して、Start Focusを押すと・・・
この様に、マウスドラッグした範囲だけが高速転送されて取り込まれます。
このとき、Inspectタブから、LargeViewを出すと、星の位置、輝度値、星像の半値幅FWHM、星像評価?FD値(これ、?は文字化けだと思います・・)が表示されます。
ボクはFWHMの値を使ってピントを追い込んでいきます。

ガイドカメラのフォーカスが合ったら、次はGuiderタブに移ります。

まず先に設定です。
Guiderタブをクリックし、右下にあるOptionsのボタンを押すと、上の画像の様なメニューが出ます。
前にも書いた様に、シャッターが無いカメラでは、ダークを取得するのに望遠鏡にキャップせねばなりません。
そこで、デフォルトでは、Simple Auto-Darkとなっているチェックを、No Calibrationに変更します。
これでダークは取得しません。
冷却CCDカメラであるST-5やノイズが少ないSXV-Guider,あるいはDSIProでは基本 No Calibrationで問題ありません(自分が使った範囲内では、ですが・・)
気になる時は、Simple-AutoDarkをチェックすると良いでしょう(いろいろと手間はかかりますが・・)

次に、OptionメニューからGuiderSettingを選択します。
すると、下のダイアログ画面が出ます。

ここで必要になる設定は、基本的には、Autoguider outputの設定です。
ST-4、ST-5やSXV-Guiderであれば、赤道儀と直結するケーブルだけでカメラと赤道儀を接続し、Guider Relaysのままで、問題ありません。
GPUSBガイド基板を利用する場合は、GPUSBを選択します。
また、ASCOM対応されている赤道儀であれば、実のところ、ガイド基板も不要で、PCと赤道儀がRS-232Cまたは、USBケーブルで通信できていればASCOM Directでガイド制御できるハズです(未確認)
その他、パラレルポートガイド基板であれば、LPT 378や278を選択できますね。
ノブオ電子のPyxisも、LX200互換なので、ひょっとしたら、DSIProをガイドカメラとして使う時に、LX200 Protocolにすると、GPUSBが無くても、ガイドできるかも・・です。
SkyExplorer赤道儀であれば、GPUSBが無くても、ASCOM Directを選択することでDSIProでガイド可能と思われます(PHDGuidingではASOM制御ガイドを実戦運用してますが、マキシからは未確認)

その他、ガイドカメラのビニングの設定もできます。

500mmクラスまでの短焦点ガイド鏡であればビニングの必要性は全くありませんが、
オフアキシス長焦点の場合は話が違ってきます。
この場合、如何にシンチレーションの影響を緩和するかも重要な要素となります。
その一つの策がビニングです。
みかけの画素サイズを大きくすることでシンチレーションの影響をうけにくくし、また感度Upを図りより暗い星が補足できるようになります。
2000mmクラスなら、3×3ビニングを用いる場合もあります。

これで設定は完了です。この作業は一度行なっておけばokです。

あとは実ガイド操作ですね。
スミマセン、ここからは画象ナシですが (´-ω-`;)ゞポリポリ
ひと通りの流れを説明します(だって、撮影中にそんな余裕ないぜよ)

まず、最初に、ガイドカメラのフォーカスを合わせて、次にガイド星を指定します。
が、実際には、ガイド星選択は、メインカメラの構図を決めてからになると思いますので、
メインカメラの構図を決めた後で、フォーカスタブを●Guiderに切り替えて適当なガイド星があるかどうか?
確認した上で、Guiderタブに写るのが正解です。

●Exposeを選択し、Exposureに露光時間を設定します。基本的にSE赤道儀であれば1秒が妥当ですが、
EM-200やそれ以上の高精度高級赤道儀であれば、ここは頻繁にガイド修正は行いたくありませんので、
3秒以上を指定すべきです(ガイドカメラの性能にも寄ってきますが・・・SBIG系冷却CCDなら数秒は楽勝で伸ばしてokです)
露光時間、指定後に、Startボタンを押すと、指定した露光時間で画象を取得してくれます。

次に実行するのがCalibrationですが、その前に気にしないといけないのが、実は、Declinationの項目です。
上の画象では0が入っています。
これは実は、赤緯0度を意味しています。
つまり、赤緯0度近辺の星でキャリブレーションを実施した場合、赤緯40度の天体を撮影したい時には、このDeclinationに40と入れてあげれば再度キャリブレーションを行う必要はありません。
これもMaxIMDLの優れた性能の一つかもしれません。
現実的にはバランスの問題もありますので、なかなか理想通りにはいきませんが、個人的な経験から言えば(え、アテにならない!?)天の北極に近い赤緯+70度以北は都度キャリブレーションすべきと思いますが、それ以外では赤緯0度キャリブレーションが正解だと感じています。
被写体のすぐそばでキャリブする時は、この項目は無視して0のままの値でかまいません。

●Calibrationを選択して、【Start】ボタンを実行するとキャリブレーションの開始です。
正常に動いていれば、赤経・赤緯と星が動き、動いた軌跡が赤いラインで引かれます。Calibration完了後に、
といった感じに赤いラインが引かれていればCaliburation完了です(の向きはカメラの取り付け向きによります)
Calibrationでもし、ガイド星がCalibration前と同じ位置に戻りきらない場合(EM-200系では赤緯側が戻りきらないケースが多々あり)、念のため、もう一度Calibrationを行います。
いわゆる、二度Calibartionで、KY博士が、かつてST-4でSkyWatcher誌で公開したテクニックです。
EM-200やEM-10ではこれでバッチリでした。

Calibration完了後、念のため、再度、メインカメラの構図のチェックを行い、ずれていた場合、再度合わせ直します。

その後、●Exposureを選択して、【Start】で画象を取得。
ガイド星にしたい星をマウスでクリックし、位置を指定します。マウスクリックするとGuiderStarのところに星の位置の値が入ります。

そこまで行ったら、次は、●Trachにチェックを入れて、【Start】ボタンを押して、オートガイド開始です。

その他にも、ガイドログを残したり、DitherGuideというより高度な設定もできますが、興味がありましたら、別途調べてみてくださいませ  (^^ゞ




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