安価な反射望遠鏡を使う


ちょっと思うところがありまして・・
AD-VIXの安価な13cm反射を購入しました。お値段は2万円。
望遠鏡としては非常に安価ですね。
最近の望遠鏡の傾向としては、写真撮影用の超高価な望遠鏡と、(恐らく)海外で生産された安価でかつ充分な性能を有する望遠鏡という具合に二極化しています。
この望遠鏡は後者でしょうが、値段が値段ですので正直なところ、性能には期待していませんでした。
しかし、モノが届いて、早速、レーザーで光軸チェックしてみたところ、意外なことに(?)バッチリ合っているではありませんか。
ミラーの反射も、悪くなく(以前、購入した某MetalDobという20cmF6は明らかに黄色で不思議なメッキでした)、一回は使ってみるかな?
と思わせるに充分なシロモノでした。

と、いうわけで早速撮像です!・・と、言いたかったのですが、この夏(2005年8月)はどうしたことか天候が思わしく無く、なかなか撮影する機会に恵まれません。
昼間は良い天気なのに、夜になると雲が沸いてきて、、、というパターン

3回ほど望遠鏡を出しては、出しただけで仕舞う・・ということを繰り返して、しまいにはキレちゃうぞ・・!
とか思っていたらようやく雲間から撮影することができました。

そうそう、一応、スペックです。購入する時に記載はありませんでしたが、K-25アイピースと鏡筒バンドが付いてきました。
あと重量がとても軽く、取り回しが容易な点がすごく気に入りました。
R130S スペック
口径130mm 焦点距離720mm F5.5 ニュートン式反射
接眼部 スライド式
付属品 K-25(アメリカンサイズ)、鏡筒バンド、6×30ファインダ

M8 干潟星雲  ST7Custom IRC=5分×3 R=5分×3 G=5分×3 B=5分×3 
M17 オメガ星雲 ST7Custom IRC=5分×3 R=5分×3 G=5分×3 B=5分×3 ※2×2
M27 亜鈴状星雲 ST7Custom IRC=5分×2 ※RGBはBORG76EDより。画像縮小後、765×510ドットを切り出し

ううん、久々だったので、画像処理に苦労してしまいました。
さて、それはさておき。感想としては、意外と良く写るなあ・・といったところです。
新品なので反射率が良いことも多いにあるでしょうが(MT160+レデューサーより明るい気がする・・)、シンプルなニュートン式はやはり良く写るものです。
しかし、ニュートン式の宿命、やはりコマ収差は出ます。

左上 右上
左下 右下

とりあえず、ST8E相当のCCDのサイズであれば、辛うじて使い物になるか?といったところですが、
これにコマ収差を補正するレンズを追加しさえすれば、かなり優秀な写真鏡になりそうです。
と、そんなことを思っていたら、三ツ星さんのところで、Kenko製のニュートン反射にコレクターを追加して安価に出すみたいですね。
かなり性能は期待できると思います。

さて、R130Sですが、この時の撮影では、少々苦しいがなんとか使い物になると感じたスライド式接眼部ですが、
その後、試してみますと、やはりST7Custom+CFW-8の重量では少々無理があるようです。
重力がモロにかかる向きでは、どうにも、苦しい・・です。
ピントロックさえしてしまえば、しっかりと保持する様でしたが、ピントを合わせる際に重力に逆らう方向に動かすのがキビシイ。

いずれにしても、安価なニュートン式であっても、十二分な光学性能は有していることがわかりました。
あとはレデューサーコレクターを工夫して追加してやれば、デジタルカメラであれば、高価な望遠鏡に迫る写真を得ることも不可能ではないでしょう。
反射望遠鏡で良くいわれる、強度不足・精度不足は、1回の露出がたかだか10分以内であり、また、その場で撮影結果を知ることができるデジタルカメラであれば、カバーできるからです。
Kenko製は特に安いですね。20cm鏡筒が3.1万円って・・。安ッ!
昔を知る者としては驚きです。
20cmクラスであれば、周辺パーツも豊富ですから、改造も容易で、より性能を高めるために接眼部を変えたりなどの工夫をすることも可能でしょう。
自分なら、MT用の接眼部を・・って本体より高いじゃーん(爆)

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