ガイドミスキャンセラー


一眼レフデジタルカメラはこれまでの天体写真の撮影方法を一変させました。
これまでのように、長い露出をかけなくても、星雲が見事に写し出されるため、
望遠鏡に取り付けての直焦点撮影であっても、ノータッチガイドで済ませることもできます。
しかし、場合によってはガイド成功率が半分程度ということもあるでしょう。
流れてしまった画像をなんとか使うことができないものでしょうか。

ステライメージ4を使えば、多少のガイドミスならば、補正可能ですので、ご紹介します。

写真は、ビクセン製R200SS反射望遠鏡に富士フィルム、FinePixS2Proを取付け、露出2分で得られた画像を一部トリミングしたものです。
みての通り、ガイドミスで横方向に星が伸びてしまっています。
これを補正します。

使用するのは[カスタムフィルタ]です。ステライメージ4のメニューバーから、[フィルタ]−[カスタム]を選択してください。

すると、次のような、ウィンドウが開きます。

これを使ってガイドミスを補正します。
まず、右下の正規化のチェックボックスにチェックを入れてください。
次に、行列に数字を入れます。

行列の中央には、ある程度大きい数字を入れておきます。中央の数字を小さくすると効果が大きくなります。
次に、星が流れている方向にマイナスの数字を入れます。
今回は横に星が流れていますので、横方向にマイナスの数字を置いていきます。
中央から離れるほど小さな数字を置いていくのがセオリーです。
また、基本的に左右対象に数値を入れていきますが、必ずしも、左右対称である必要はありません。
あとは、プレビューにチェックを入れ、フィルタの効果でガイドミスの具合を見ながら、数値を変更して決定します。
下が処理結果です。

星が多少歪んでいますが、横に流れていた星がまとまり、ガイドミスが補正されたのがおわかりになるかと思います。
4枚の画像それぞれにガイドミス補正フィルターを適用し、コンポジット合成して少し見映えがするように処理したのが下の画像です。
完全な補正は難しいのですが、見られる程度にはガイドミスが改善されたことが判ると思います。


もし、ガイドミスが斜め方向であった場合、行列の斜めの位置に数字を置いていってもいいのですが、
ガイドの流れが、垂直、もしくは水平方向になるように、画像を回転させてから実行させてから、ガイドミス補正を実行すると良い結果が得られます。
また、全ての画像をコンポジットしてから、ガイドミス補正を適用することも出来ますが、手間はかかりますが、コンポジットを行う前に各画像にガイドミス補正を行う方が良い結果になります。
処理をきつくすると画像が荒れてしまいますので、あまりにガイドが流れているものの使用はあきらめた方が良いです。
しかし、多少のガイドミスであれば、ステライメージ4で補正を行うことで実用になります。

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