フィルターテスト
手持ちのフィルターで色彩の違いがどう出るか、テストを行ってみました。
機材は、VISACにケンコークローズアップAC No2 を用い、約F7としました。
撮影日当日は、透明度が最悪で、もしかしたら、薄雲があったかもしれません。
そのため、写りは非常に悪い点はご容赦ください。
各フィルタによる露出時間は、Bが露出5分、RとGは3分です。各画像は2枚コンポジットを行っています。
被写体はM27で、輝線星雲の作例としてご参考にしていただければ、と思います。
機会があれば、M31の中心部や、M13のような球状星団で、連続スペクトルを放つ被写体のテストもしてみたいと思います。
IDAS Type3&Type2 恐らく、今、日本で最も多くの方に使われているのが、このIDAS社製のType2もしくはType3フィルターでしょう。 自分は、Type2スライド一式と、Type3は、特に特徴的なRのみを所持しています。 さて、このIDAS Type2/3で撮像すると、たいていの場合、 青紫系の色調で、惑星状星雲が再現されると思います。 (カメラの感色性により異なる) OV線は、透過率50%で、ある意味、惑星状星雲が強く発する輝線感度が半分しかない・・と取ることもできます。 今回、Type2-Rでも撮像は行ったのですが、Type2でもType3でも出来上がった画像に差違は見いだせませんでした。 透明度が悪く、短波長側の光は拡散されてしまい、短波長側も透過するというType3効果が得られにくかったのも一因でしょう。 空が澄んだ、標高の高い山などではかなり差がでるかもしれません。 |
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IDAS Type4 with EDUMUND IRC IDAS社が現在(2004'10)販売を行っているのが、Type4と呼ばれるフィルターです。 同社のMBT(Multi-Band-Technology)で、可視光のみならず、 赤外光の三色分解撮像も可能とした優れたフィルターです。 しかし、使用にあたっては、別途、赤外カットフィルターか、赤外フィルターが必要となります。(少々煩わしいですが・・) また、Eチップに合わせ、OV透過率が工夫されています。 さて、撮影結果はご覧の通りで、より青色感度の高いMEチップでの撮像のため、少々緑色が強くなるきらいはありますが、 OV線の青緑色を見事に再現した色合いとなっています。 Type3かType4かは、この色調の好みで使い分ければ良いと思います。 今回、赤外カットフィルタには、EDMUND社のものを使っています。 |
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TTL社製 RGB with IDAS IRC ずいぶんと前に購入した、TTL社製のフィルターです。 赤外光は透過となっているため、赤外カットフィルターの併用が必須となります。 このフィルタの特徴はいくつかあって、まず、OV線を青も緑も90%近い透過率を示します。 したがって、MEチップのようなカメラでは、連続光(恒星)のホワイトバランスが取れると同時に、OV線のホワイトバランスもほぼとれるようになります。 今回は、透明度が悪く、青フィルタでの写り具合が通常よりも、特に悪くかったと思われ、そのため、青味がやや強くなったきらいがあるものの、今回使用したフィルタの中では、最も好みの色調に近いものとなりました。 また、RGBで裾の重なりが少ないため、色の差が強調される傾向があります。JPEGに落としてしまっているため、微恒星の色調はやや薄められているので、なかなか判断は難しいのですが、微光星の色の差を最も良く表現しています。 ただ、それは系外銀河など被写体によってはマイナスともなりそうです。 光映舎のフィルターが、IRCコーティング付きで、このTTL社製フィルタに近い特性を有しています。 |
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ケンコー製 色ガラスフィルタ B460,Po1,TTL-R(R60代用) LRGB合成法が普及する前、当時の極端に青感度が悪いCCDカメラの三色分解画像を救済する策の一つとして、薄い水色フィルタ(シアンフィルタ)をBフィルタとして使用することが提示されたことがあります。 その組み合わせで撮像したのが左の作例です。 但し、赤フィルタは、R1フィルタの代わりに、特性が割合近い、TTL社製Rで代用です。 赤外カットフィルタは無しでも、B,Gのフィルタはまず充分に赤外をカットしてくれていますので使用可能です。 R1で赤外スルーとしてしまうのはちょっと面白くありませんが・・。 さて、結果は、シアンフィルタでは、幅広いバンド幅を持つため、光量が稼げますが、輝線は一カ所だけでしか発していませんので、コントラストが弱められます。 Po1フィルタは透過率が悪いため、緑色の成分はぐっと抑え込まれてしまい、結果的に、非常に赤味が強い画像になってしまっているのが判るかと思います。 本当は、ケンコー三色分解セット(B440,Po1,R1)での組み合わせでの撮影もしたかったのですが、久々に使おうと思ったら、フィルタが行方不明になっていて、できませんでした。残念! このセットはこのセットでまた味がある色を出すんです。 透過率が悪いので露出はかかるんですが・・・。 |