CCDStackの使い方


CCDStackの使い方は、グレーテルさんとまほろばさんから教わりました。
とっつきにくいソフトだったので、とても助かりました。ありがとうございます m(__)m

さて、本題です。


まず最初にCCDStackを起動し、次にエクスプローラ等から、コンポジットを行いたいファイルをドラッグ&ドロップ等でCCDStackに読み込ませてください。
 ※起動時に、初めて読み込むカメラの画像であれば、その旨のメッセージが出てCameraManagerに登録されます。

起動時はいたってシンプルな画面しか出ていません。
メニューバーのWindowから、各種のウィンドウを出してください。特に肝は、ImageManager。これを見て、画像の判断をしていきます。
また、画像を選んでいく、SelectImage、それと拡大や表示レベルを変える為のMagnification等、ひと通り出してしまうのが吉です。


コンポジットで、使うメニューは、Stackのメニューです。
ここを上から順番に、行っていけば、コンポジットが完成します。


まずは、Registerです。
ここで行うことは、各画像の位置合わせ(Align)です。
まずは、SelectImageの【<】【>】ボタンを使って、読み込んだ画像を見ていきます。
全ての画像の中で、一番良いと思えるものを基準画像として、選びます(ImageMangerの中で、▲ボタンがつくところが現在の画像です)

その後で、Registerをメニューから選ぶと、「Ragistration」ダイアログが出てきます。



ちょっと別の画像ですが・・・
色付けされて、基準とした画像と今、選択している画像がどれだけ位置がずれているかが一発でわかる様になっています。

CCDStackの位置合わせはほぼ完全自動で合わせることができます。


上の画像は、有償プラグインのCCDInspectorがインストールされている時の画面です。
CCDInspectorがインストールされている環境では、このままAlignAllボタンを押せば、それだけでほぼ問題なく一発コンポジットされます。
CANPではこれで説明しました。
ボタン一発でコンポジットできます。

CCDStack単体でも自動位置合わせ機能はちゃんとあります。



Star Snapタブの【auto-select refernce stars】をポチッとなと押してください。


ポチっと押すと+マークの基準星を自動的に選んでくれます。
そのまま【align all】ボタンを押すと、読み込んだ全ての画像の位置合わせを行い(少し時間がかかります)上の画像の様に自動で位置合わせを行ってくれます。
Ver1のときは、CCDStack単体では、5ケ程しか星を選ばず、あまり精度高くなかったのですが、Ver2になってから、優秀になったみたい・・?
CANPで作例とした、M42も、M94もどちらもCCDStack単体で、バッチリ位置合わせできました。
うーん、CCDInspector、なくてもいいかも・・・。お高いですしね。
Ver1の時は必須でしたが・・・・


さて、位置が合いましたら、途中のタブはすっ飛ばして結構です(マニュアルで位置合わせしたり、自動検出させる時のFFTの設定を変えたりもできますが・・・まず不要かと。いろいろと細かい調整もできるので活用するとさらに良いのかもしれませんが・・・)
一番、右側のApplyタブを出してください。
ここで、リサンプリング関数を設定します。



リサンプリング関数とは、通常、みなさんが画像を拡大・縮小を行う時には、バイキュービック法等,なんらかの補間を使っていると思います。
単純に拡大・縮小を行う(Nearest Neighbor)では、ギザギザのジャギーが出てきますよね。
これは実は、回転にも同じことが言えます。
回転合成が入った場合、位置合わせの精度が悪くなってしまって、結果的に、端の星像が悪くなったりするわけです。

では、Bicubic法を選べば良いかというと、そうとも言い切れない面があって、
いずれの関数も、それぞれ特徴があります。

・シャープさを優先したいL画像の場合 ⇒Catmull-Rom,Bicubic Spline-16
・S/Nを優先したい場合(デジカメやRGB画像)⇒Bicubic B-splineなど

あたりを使うのが良いと思いますが、実際には、撮影環境やシステムによって、適しているResampling関数は変わってくると思いますので、一度しっかりと確認してみた方がいいかもしれません。
自分もやってないので・・・やってみます (^^ゞ

お好みの関数を選んで、【Apply to All】ボタンを押してください。

次に行うのがNormalizeです。


メニューバーからNormalizeを選択。Autoでもokですが、せっかくなら、自分で指定した方が良いかな?とおもいますので、
ここでは、Control⇒Bothを選んでいます。


まず最初に、バックグラウンドを指定しなさい、と言ってきますので、
マウスでドラッグして、星雲がかからない背景と思われる領域を選択します。
CCDStackが自動的に適切な値を選ぶので、星は入っても構いませんので、ガバっと広く範囲を取りましょう。
【ok】ボタンを押します。


次に、ハイライトエリアを選べ、と言ってきますので、
今度は星雲をマウスでドラッグして囲み、【ok】ボタンを押します。
これで、Normalizeが完了します。


そうすると、ImageManagerのWeightの欄に、数字が入ります。
これが基準画像を1とした時の各画像のおもみづけになります。

少し説明しますと、薄雲が通過したなんて時は当然ですが、実は同じ露光時間で撮像していたとしても、空の透明度・シーイング、状態は、刻一刻と、
変化していきます。被写体の高度もそうですね。同じ高さにあれば良いのですが、天体は日周運動で天球上を動いていき、高さが常に変化していきます。
そうすると、同じ露出時間でも、なんにもせずに足しこんでしまった場合、良く映っている画像が悪い画像に引っ張られて少し画質を損してしまうことが起こりえます。
それを是正するのがNormalizeです。
また、このNormalizeを行うことで、次に説明するシグマクリップが正常に機能させるということもあります。

画質面では、あまりにも、Weightの値が基準画像に対して悪かった場合は、思い切って捨ててしまう方が良い場合も多いです。
捨てる時は、捨てたい画像のIncludeの欄のYの文字をクリックしてNに変えるか、あるいは、捨てたい画像を選択し、キーボードのDELキーでリストから排除します。

なお、Weightの文字が入っている部分をクリックすると良い順・悪い順にソートすることもできます。

また、画像を、Magnificationで、ShowPixelsにチェックを入れて、1.00倍にし、


その後、任意の星をクリックすると、FWHMの欄に数字が入って、シャープな画像か否かを判定することもできます。
高解像狙いの場合、もちろん、あまりに悪い画像は捨てます。
上記のM94のリストでは、FWHMでソートさせると、良いものは、3.3ですが、悪いものは5.4なんてものもありますね。
枚数も考えて、FWHM5.0以上のものは捨てた方が良いでしょうね。

さて、Normalizeが終わったら、次はDataRejectです。
ここでは、不要な宇宙線ノイズや写りこんだ人工衛星の排除を目的としています。

メニューバーからDataReject-Produresを選んでください。



そうすると、以下のData Rejectのダイアログが出ます。


Data Rejectも様々な方法がありますが・・・・
使うのは、STD sigma rejectか、Poisson sigma rejectでしょうか・・・
CANPでなすはちさんが指摘されましたように、枚数が少ない場合は、非常にシグマの信頼性はなくなりますが・・・
CCDStackでは、排除するピクセルを見ながら、設定値を変更できますので、実際には、画像を見ながら数値を決めていくことになります。
その他にブルーミング除去(reject blooms)なんてのもここで出来ますね。




Poisson sigma rejectを選択し、
Sigma multiplierを3に設定し、iteration limit を2に設定した時の例です。
Sigma multiplierの値を大きくすると異常値の許容範囲が大きくなります。不要な部分のみを捨てて、他の部分は捨てすぎないところを探すのが良いでしょう。
iteration limitは、この例では一度、3σの異常値を排除した上で、さらに異常な値が無いかをチェックさせたいので2としています。回数が多ければ良いというものでもありませんが、
一応、1ではやや不安ですので、2にした方が良いでしょう・・・?

設定を決めた上で、【Apply to All】ボタンを押しますと、排除するピクセルが紅く表示されます。
この撮影時はときおり吹く風で星が跳ねたりガイドエラーが出たりしていますが、CCDStackのData Rejectでガイドエラーも排除されています。


最後に、DetaRejectを出したまま、
メニューバーより、Combineを選び、Sum(加算)かあるいはMean(加算平均)、お好みの方法を選んで実行すると、
コンポジットが実施されます(ImageManagerの最後に出てくれます)




コンポジット合成後の画像をImageManagerから選択し、
Save data⇒This を選んで保存します。保存は、Fits 32bit float の形式で保存するのが良いでしょう。ステライメージにおける、32bit実数と同じです。

以上、CCDStackの使い方でした。

RGB画像はRegisterを行ってL画像を基準として位置合わせまで行ってから、Save data⇒All で一旦保存し、R,G,BそれぞれにNormalize処理を行う等、
細かい点はありますが・・・・
一度、流れをつかんでしまえば、要領は同じですので、日数制限はありますが、デモ版をダウンロードして、まずはぜひ試してみてください。

兎に角、ボタン一発コンポジットが楽です。
ステライメージも早くこうなって欲しいところです。

欠点はCPUパワーとメモリ喰いなのが問題で、ちとウチの自宅PCでは32bitOSでメモリがキツイ・・
そろそろ64bitOSに乗り換えたいところではあります.

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