CCDsoftの使い方


SBIGの冷却CCDカメラにはCCDOPSという制御ソフトの他にCCDsoftという制御ソフトが付属します。
このCCDsoftの最大のメリットはなんといっても、セルフガイドによる連続撮影機能が備わっていることです。
一度セットしてしまえば、後は放って置いても勝手にオートガイドしながら撮影してくれるスグレモノです。
これで撮影がぐっと楽になります。
私も使いこなしているというわけではありませんが、簡単に使い方をご紹介しましょう。

■Setup画面

まず、CCDsoftを起動したら、Camera-Setupよりカメラコントロールウィンドウを出してやりましょう。

Cameraは当然、使用しているカメラを選択します。なお、CCDSoftにて撮像を行う場合、まずソフトを機動したら、『Connect』を押してリンクを確立しないといけません。
また、リンク確立後は、Temperatureボタンを押して、冷却温度制御を行います。
フィルターホィールは所有してないため、None、制御可能なフォーカシングユニットも所有していないため、Noneとなっています。

いくつかチェックボックスがありますが・・
上からいくと、

・標準時をファイルに記録するか
これにチェックを入れるとPCの時間(国内で使っているならもちろん、JSTですよね)をUTCとして記録してしまうとの情報を頂きました。使わない方が良さそうですね。(情報提供:黒ひげさん)

・ダウンロードを最優先とするか。
・スクリーンシャッター ・・・露光中の画面を暗くします。暗い空の下では利用価値がありそうですが、フォーカス中は煩わしいだけです。

・撮影中断時に保存するか。

指定した時間(秒)より長く露出した画像はAbortさせると保存するかどうか。
たとえばここに300秒として10分間露出をしている最中に雲が出てきてabortさせた場合に露出が300秒以下(未満?)のときは画像は保存されず300秒を越える露出時間の時は保存されるということです。
デフォルトでは60秒となっています。 (情報提供:階段男さん、黒ひげさん)


■フォーカスについて

まず、最初に適度な明るさの星(ノーフィルタで6,7等星だろうか)を導入します。
その後にCCDを取り付けて、確認するのは、CCDsoftだろうがCCDOPSだろうが一緒ですよね?

さて、上がForcusタブの画面です。
ここで、対象の導入を確認したり、フォーカスを合わせたりするわけです。
まず、フォーカス合わせですね。星がCCDに導入できたかも判らないので、最初はCCDOPSでもビニングして全画面を表示させますよね?そうですよね?
Exposureは言わなくても判ると思いますが露光時間です。1秒にして、確認しやすくしましょう。
binがビニングです。ST7Eでは3×3までしかありません(個人的には4×4が欲しい!)ので3×3にして撮影してやりましょう。
Contiuousは連続で取り込むか、ってことです。
デフォルトではチェックが入っていますが、みなさん、どう使っていらっしゃいますかねー。
フォーカスを動かすたびに、勝手に撮影していては輝度値が変化して判りづらいって人もいるかもしれませんね。
僕は、Continuous使ってますが、精密なフォーカス合わせ時にはチェックを外す方が正解かもしれませんねぇ。
特に、CCDSOFTは前後の輝度値がグラフとして表示されますから、接眼部を動かしてブレで輝度値が低くなってしまうとせっかくのフォーカスの山が掴みにくい気もします。
まぁ、そのあたりは個人の趣味とやりやすさで上手く使ってやってくださいよ。

そして、『Take Image』を行えば、あとは画像を取り込んでくれます。
ある程度フォーカスを追い込めたら、一端、止めてやって、あ、これはContiunuousを使っている場合ですよ。
そして得られた画像の中でフォーカスに使いたい星をマウスでドラッグして囲ってやってください。
そうすると、Sub-Frameのところにチェック入りますよね?入るんです。
これは、画像を一部切り出し読み込みしますよってことです。チェックを外せば全画面取り込みしてくれます。
じゃあ、精細なフォーカスを合わせるために、切り出したらbinを1×1に戻してやって、TakeImageしましょう。

あとは自動的に更新されていく画像とそしてグラフを見ながら、グラフで最もシャープなピークを示すところをフォーカスとすればokなわけです。
あ、輝度値もちゃんと右下のMaxの所に表示されていますからね。グラフとこの輝度値の変化を見ながら追い込みましょう。
慣れれば非常にあわせやすいと思いますよ。CCDOPSよりも一段上のピント合わせが出来ると思います。

■AutoSaveについて

初めて起動した時は、このタブのところで少し設定を行う必要があります。
あと、ファイル名とかもここで付けますから対象ごとに開いてあげる方がいいですよ。

まず、AutoSave Onにチェックを入れましょう。たぶんこれを入れないと自動的にSaveはしてくれないです。
また画像の保存種類はデフォルトではFITSになっていますが、やはりSBIGに変えておきましょう。
理由は2つ
・SBIG形式の方が可逆圧縮形式で画像劣化がまったくなくファイルサイズが小さい
・SBIG形式でないと使えない画像処理(CCDSharpのLucy-Rechardson法や、本ソフトのR-L画像復元など)がある。

Start numberとFile name prefixは基本的に撮影対象毎に入れてやるのがいいと思います。
僕の場合は上の画像のように、
M64L5m というようにファイル名を付けています。
対象名,フィルタ種類,露光時間
の情報をファイル名に持たせているわけです。
Start numberは何番目から始める〜?
と聞いているだけですので、対象を変えるごとに1にしても良いし、今晩は何枚撮ったのカナ?と知りたければ、撮影開始前に1にして、放っておけば通し番号で数字をつけていってくれますから、何枚撮ったのか判ります。
まあ、、あまり考える必要のない項目ですので、自分のやりやすいように上手く使ってあげてください。

■キャリブレーションパラメータについて

CCDOPS4.12Jのキャリブレーションパラメータ

人によってやり方はそれぞれでしょうが、セルフガイドのキャリブレーションパラメータは効率を考えれば使い回したいものです。
CCDOPSにて取得したデータをCCDSOFTで使うことができないか考えてみることにしました。
上がCCDOPSのパラメータ画面です。

こちらが、CCDSOFTの画面となります。
ここで、右のCalibrationResultsがそのまま、Xリレー、Yリレーに相当するでしょうから、ここにCCDOPSで取得したデータを入力すれば問題ないように思います。
また、ここで、Angleが示されています。
つまり、ここに回転角度を入力することで、斜めセルフガイドが可能になるのではないかと思われます。
回転が許容されれば構図にゆとりができる可能性もあるわけで、便利かもしれません。
実際、試しに斜めセルフガイドやってみたところ、まずまず上手く行きました。

Calibration Timeはキャリブレーションを実行するための時間データでしょうから、パラメータを流用しようと目論んでいる場合はあまり関係がないでしょう。
また赤道儀によっても変わってきます。
参考までにいえば、私のEM-200では赤緯側は最も早くして、赤経側は半分に速度を落としてあります(Pyxisでは簡単に設定可能)。

その下のBacklash compensationがバッククラッシュに当たると思われます。
CCDOPSと同様、ここは使用しません
EnableのYESのチェックは外せば、赤緯ガイドはしないことも可能でしょう。短いレンズではチェックを外した方が良いことがあることは328のテストデータを得た時に確認しています。
また、話しに聞く限りではGP系のバッククラッシュが大きい赤道儀では、赤緯はガイドさせない方がオートガイドが上手くいくそうな・・。

この下は右の『Advanced』ボタンを押さないと出てこないのですが、
Minimum moveのデータがCCDOPSと異なっているため、ここは修正する必要があると思われます。ただし、CCDOPS日本語取説にはハンチングを起こす場合に修正するとありますから、あえて修正する必要はないかもしれません。
CCDOPSでは1/1000入力値とのことですから、0.05を入力します。
同様にMaxim moveには、0.1です。
あとはAggressivenessは修正強度にあたりますから、3〜7程度で良いと思われます。

あとは、ExposureのDeclinationが赤緯を表しますから、ここに天体の赤緯値を入力してやりさえすれば、
いちいち天体ごとにキャリブレーションをとらなくても良いわけです。
あ、但し、赤緯0度付近でキャリブレーションをとった場合の話し、ですよ。
今回のCCDOPSのガイディングデータの流用自体、赤緯0度でキャリブレーションをとってあることが前提のお話です。

■セルフガイドについて。

CCDSOFTは慣れれば便利なのだろうが、どうやってセルフガイドするの?
と思いっきりとまどってしまいました。
結局、セルフガイドチップとメインチップを全くの別物のCCDと考えて操作してやると考える必要があったようで、このあたり、シームレスに使うCCDOPSとはかなり異なる感じですねー。
つまるところ、セルフガイドの手順としては、
@Autoguideタブにて、TakeImageを行い、得られた画像からガイド星近辺をクリックして、ガイド星を決定する
AAutoguideパラメータは入力済みであれば、あとは天体の赤緯値をDeclinationに入力する
BAutoguideボタンを押し、オートガイドを開始する

CTake Imageタブを選択し、露出時間を入力、Minutesに連続露光の時間を入力する。
DSeries ofに何枚撮像するか入力する。
EFrameはLight,ReductionにはNoneとなっていること、Subframeのチェックが外れていることと、Binが3×3のままになっていないかを確認(フォーカスモードの後なら変更しなくてはならないハズ。非常に忘れやすいので要注意)してから、『Take Image』を実行すれば、あとは連続セルフガイドの開始である。

という感じになろうかと思います。
あとはこれで連続セルフガイドが実行され、いちいち数分で自分の望遠鏡の所に戻ってはセルフガイドさせて、、、ということもなくなり、短い夜の時間を有効に活用できます。

ただ、このCCDSOFTのセルフガイド、少しでもガイド星が暗くなったりすると、とたんに暴走し、ガイド星を探し回ります。たまに確認ないと、長時間露光していたつもりが全然何もないところを撮っていたというシャレんなんない事態を何度も経験して苦渋を飲まされています・・・。
CCDOPSやST4では勝手に探し回るということをしないので薄雲が通っても安心ですが、CCDsoftでは確実にヘンなところに動かし始めます。・・・・困ったヤツ。
まあ、そのような欠点を補ってあまりある便利さなので許してやりましょう。

※自分が確認した範囲内での話しですが、Ver5.00.121以降であれば暴走しにくく改善されていました。
それ以前のVerでお使いであれば、ぜひともVerUpしてください。
とはいえ、ガイド星が完全に雲に隠されて見失った場合は、ガイド星を探し求め、暴走します。(Ver.5.00.159で確認)
ST4や、CCDOPSの様に見失ってもその場でとどまってくれればいいのですが・・・。

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