皆既日食 ’09


2009年7月22日。
国内では46年ぶりの皆既日食となることで、おおいに注目された日食でした。

行きたいな、と思ったものですが、ツアー料金の高額さ・・・
さすがにここまで支払ってまで見るものか?と正直思ったものです。
実際、今回は見なくてもいいな・・と思っていたのですが、
こうちゃんから、お誘いを頂いたこともあり、鹿児島県天文協会のツアーに参加させて頂きました。
行った場所は屋久島!です。

どちらかというと、自分が旅慣れてないことと、やはり日食ということもあり、早割の航空券を抑えることが出来ず、
結局、鹿児島まででかける料金の方が遙かにかかってしまいました (^^ゞ

お世話になった民宿望海苑おかだです。
美味しい料理ときさくな女将さん、広い部屋で楽しく快適に過ごすことができました。


望海苑おかだの庭に並べられた機材です。まだ前日だというのにみなさん、気合い入ってマス。
南の水平線が見渡せ、なかなか絶景です。
時期があえば、エリダヌス座の一等星、アケルナルは十分見られそうです。
おかれている赤道儀は、ひのきん族御用達のEX赤道儀、独特なピラーが印象的です。
EM-10互換と言われていましたが、EM-200でも十分に載せられそうです。ピラー脚だけちょっと欲しいかも(笑)
そのほか、SkyExplorer EQ6、EM-10赤道儀が並びます。
GP赤道儀とFL-70Sをお持ちの方もいらっしゃいましたが、さすがにこの天気では出すのを躊躇していました。


しかし、、天気が・・・
どういうわけか、7月下旬のこの時期に梅雨前線が鹿児島まで南下。
普通はありえない状況です。
一般的には太平洋高気圧が張り出してくるこの時期、この場所は高気圧の支配下におかれるものですが・・・
なんという異常気象でしょうか・・・。
屋久島の気候を配慮して、雲が生じたら風向きから判断して移動して撮影するツアーでしたが、
さすがに梅雨前線の分厚い雲を前にしては、どうにも出来ません。
それでも、島北部に移動するか、そのまま南にとどまるか、前日晩はかなり議論を繰り返しました。
まあ、梅雨前線が下がってきてしまっているので、どうにもならないでしょう・・・ボクはとどまる方を選びました。

7/22朝。雨まで激しく振ってくる始末です。
天気は絶望的・・・・南にとどまる派と北に移動する派ですが、結局のところ、おかだに泊まった全員とも、
南に止まり、皆既時間4分(北に行くと2分になってしまう)の間に雲間が覗くことを期待しました。

食が始まって暫くすると雨が弱くなってきました。
みなさん、それぞれ機材のセッティングを開始。10時過ぎ頃の様子ですが・・天気は・・・


厚い雲に覆われたまま、ときどき、ぽつぽつと雨も混じります。
太陽は刻一刻とかけていっている筈ですが、薄暗くなってきたのは果たして太陽が欠けているせいか、はたまた雲のせいか・・・
晴れて欲しい・・!

皆既の時が近づいてきて、いよいよ薄暗くなってきました。
しかし・・太陽は顔を出してくれません・・・。
そうそう、400mmF4のDOレンズをお持ちの方がいました!!いいな〜回折レンズ!
ちなみに、EX赤道儀にはPENTAX75SDHFに、CanonEF300mmF2.8が同架されてます。
みなさんがお使いのカメラは、CanonEOS50DやNikonD60をはじめ、PENTAX K20DやLUMIX、SONYαなど、
天文雑誌のフォトコンテストで見られるカメラとは違ってバラエティに富んでいます。やっぱりこうでなくっちゃ。
特定のメーカの改造カメラや特殊な冷却CCDカメラばっかりではねえ・・。
日食だけに、3CCDのDVなどをはじめとするビデオカメラも多数ならんでいました。
もちろん、フィルムでチャレンジする人や、ボクと同じ様にPowerShotG9等のコンデジを使って撮影する人もいます。
・・S3Pro、とうとう外に出しませんでした(^^ゞ
今思えば、せっかく持っていったのだから、出せば良かったんですけどねー。組み立てて、民宿の中です σ(^^;
真ん中の窓の向こう、部屋の中につったっているのがボクのS3Pro(笑)

いよいよ、その時が近づいて来ましたが・・・・無情にも太陽は雲の遙か向こう・・・
比較的低いところの雲は動きが速いのですが、梅雨前線に伴うと思われる高空の雲は一向に動く気配がありません、、

ますます暗くなり、露出時間を2秒にして撮影した写真です。
日没後の夕方くらいでしょうか。かなり暗くなってきました。
また、この頃から急に南西から風が強く吹いてきました。気温も下がってきて少し肌寒くなってきました。

いよいよ皆既!
急激に辺りが暗くなり、昼間の夜になりました。
完全な闇ではありませんが、日没後1時間後くらいの感じでしょうか。
闇が迫ってくるかのようなプレッシャー・・!
しかし、、太陽は顔を出しません。
とりあえず、周囲を見回してみると、皆既帯から外れてくる北の空が明るいのがとても印象的で、また、幻想的な雰囲気を醸し出していました。

露出は上と同じく、ISO80設定で、2秒露出です。
反対方向の南の空、皆既帯中心方向は真っ暗でした。が、分厚い雲のせいもあるかも・・。

そろそろ、皆既時間も残りわずか・・・
しかし・・無情にも空は雲につつまれたままです。
北の空はいっそう明るくなってきていたのが印象的です。

いよいよ、第三接触。皆既終了です・・・
急激に周囲が明るくなってきました。露出は2秒での撮影です。
急に闇が訪れたプレッシャーと急に明るくなったことからの安堵感からでしょうか。
少し放心状態になりました。
終わった・・という脱力感からではなく(多分 ^^;)・・・不思議な感じ・・です。

まだ、部分食は終わっていません。せめて、欠けている太陽だけでも撮りたい!と頑張ってる方もいらっしゃいましたが、
結局、ここでは、一度も太陽が顔を出すことはありませんでした。

黒い太陽は見られませんでしたが、太陽が見えなくても、これまで知らなかった臨場感と圧倒的な荘厳さ。
それを存分に味わえ、これまであまり興味が無かった皆既日食に俄然興味を持ちました。
写真やビデオでは判らない貴重な体験をすることが出来、いつか絶対にみたい!という想いが強くなりました。
このツアーに誘ってくださった、こうちゃんと、お世話になった、鹿児島県天文協会のみなさんにお礼申し上げます。

それにしても、なんて異常気象なんだ・・・平年通り、太平洋高気圧が張り出してくれていれば多くのところで日食が楽しめたでしょうに・・・
天気ばかりは仕方ないとはいえ、この異常気象には割り切れないものを感じてしまいますね。

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