NGC4388

   MT160withレデューサー SXV-H9 L=5分×12 R=5分×3 G=5分×3 B=5分×3

マカリアンの銀河鎖、M84とM86のそばに位置するエッジオン銀河です。
こちらは南側に位置するNGC4388。M84、M86の北側には、NGC4402というエッジオン銀河があります。
両者は色彩がやや異なります。
こちらのNGC4388は若い星が多いのかやや青味を帯びた色調です。

左に見える小さな渦巻銀河は、NGC4413です。
視直径は2.4'と小さな渦巻銀河です。
上にあるのはNGC4387。1.8’×1.1'の小さな楕円銀河です。
右端にある小さな銀河は、IC3303。下にある淡い銀河は、MCG+2-32-45です。

この銀河、大望遠鏡では、スーパーウィンドが観測されていますが、試しにHαフィルターを使って写してはみたものの、
それらしき物はかすりもせず、、、また、来年、透明度が良い冬場にたっぷりと露光を与えてみたいと思います。


米国Orion Hαフィルタ 半値幅7nm SXV-H9 15分×6+20分×6 光映舎 Hαフィルタ 半値幅15nm ST7ME 20分×12

NGC4388スーパーウィンド

NGC4388にはHα線の吹き出し、いわゆるスーパーウィンドが存在しています。
すばる望遠鏡が捉えた見事な画像を見て以来、これは捉えてみたいと考えていました。
昨年、SBIGの半値幅3nmのフィルターとMT160を用いて撮影にチャレンジしてみましたが、1回あたりの露出が短かった(10分露光)せいか、写ってくれませんでした。
そこで、今年は、まず、明るい光学系をということで、イプシロン200を使い、高透過率の米国OrionのHαフィルターで長時間露光で挑んでみました。
透明度も良い1月に撮影。これで写らなければ・・・!と、思ったのですが、全く写ってないじゃん、、、orz
これはダメだ・・と思ってすばるのデータを見てみたら、Hαの波長に660nmと記載してあります。
なんで660nm?誤記?と思ったところで、ピンと来ました。
そうか、ドップラーシフトか!
この天体までの距離は6000万光年となっています。
一般に遠くにある天体ほど、宇宙膨張に伴い、我々の地球から速く遠ざかります。
そのため、ドップラー効果により、赤方偏移が起こり、波長が長い方にシフトします。
そのため、本来は656.28nmであるハズのHα輝線は、シフトし、約660nmまでシフトされるのでしょう。
そこを考慮して、半値幅15nmのフィルタを用い、再度撮影に挑んでみました。
半値幅15nmであれば、660nmまでシフトしていても捉えることが出来ます。
カメラは高感度のST7ME!これでHα線へのレスポンスは約1.5倍程度にアップします。
また、画素サイズも大きい為、広がった星雲を写す分には、光をより多く蓄えることができます。露光時間も20分露光とし、撮影してみました。
結果は・・・
すばる画像の様に大きく広がっている様子は全く写せなかったものの、なんとか最も明るい部分は写ってくれた様です。
半値幅7nmのものと並べてみるとほんのりとふくらんでいるのが判るかと思います。
また、昨年撮影したMT160+レデューサによる画像に重ねてみるとほんのりとHαの吹き出しが紅くなっているのが判るかと思います。

もう少し写ってくれるかな?と期待していた面もあったので、ちょっと残念な部分もありますが、考え通りに写ってくれてほっとしました。
それにしても、宇宙が広がっていくこと、レッドシフトの影響を体験させてくれた天体でした。

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