M82

オライオン30cmF4反射望遠鏡 with MPCC ST8XME L=5分×18 R=5分×4 G=5分×7 B=5分×8 Hα=12分×32
DMK21AF04 2秒×341

おおぐま座にある明るい銀河です。視直径は11.3' x 4.3'と系外銀河としては大型です。
さらに、すぐ近くに明るい銀河M81があり、望遠鏡で見るとまるでハの字に仲良く並んで見えます。(参照)このうち、細長い方がM82です。
やや大きめの望遠鏡で眺めると周辺が凹凸していることや内部に暗黒帯のようなものが見えてきて、爆発しているような様子を感じ取ることができるようです。
また、以前、C8で高倍率で眺めたところ、m82の短辺方向に暗いスジを確認できました。
この画像でも中央付近に暗黒部が見られますが、この部分が見えたのだと思います。
最近では、Ninja400で観望しましたが、暗黒帯であることをはっきりと確認できました。
ぜひ、望遠鏡をお持ちの方はじっくりと眺めてみてください。

光度9.3等のスペックですが、実際には輝度が高く、かなり見やすい系外銀河です。
れでも、神奈川の実家から、眼視で見た記憶がありませんが・・・

今回は、自分の現状できる最高レベルのM82の画像を得る為に、中心部は動画でラッキーイメージングを用いて、短時間露光撮影、選別コンポジットを行なってST8XME画像に上乗せさせています。
また、Hαフィルターによる撮影結果も使って、スーパーウィンドも描きだしています。
過去のイプシロン200の撮影結果に及ばないのは、Hαフィルタの半値幅の差(今回7nm、以前のは3nm)なのか、透明度などの条件の差なのか・・

M82

ASC-11 DeepStriker with AC3 SXV-H9 5分×11
R=5分×3 G=5分×3 B=5分×3

今回は、半月が残る中での撮影となりましたが、シンチレーションがそこそこ落ち着いており、正攻法で微細構造を抽出することに成功しました。

さて、爆発銀河の異名を持つこの銀河ですが、その様子はHα光でみるとよりいっそうはっきりとしてきます。下はHαフィルタを通して撮像したM82の姿です。
上下に淡くのびる赤いフィラメント構造がよりいっそう爆発しているような様子を見せてくれています。

M82スーパーウィンド

イプシロン200 SXV-H9 Hα=10分×21 L=5分×10 R=5分×4 G=5分×5 B=5分×5

かつては銀河からの爆発によって、このような姿が見られると考えられていましたが、現在では爆発しているのではなく、銀河中心部の活発な星形成(スターバーストと呼ばれています)や超新星爆発によって、電離した水素ガスが銀河の外側にまで噴出して見えていると考えられています。このような現象はスーパーウィンドと呼ばれています。
さて、この現象の原因となったのは、すぐそばに見える銀河、M81です。 6億年もの昔、この2つの銀河はニアミスを起こしたと考えられています。その際に質量の小さいM82銀河はM81銀河の重力の影響を受けて、不安定になり、内部構造が破壊されてしまいました。
我々の銀河系もまた、お隣の銀河、アンドロメダ大星雲に接近しているといいます。
いずれは我々の銀河系もM82と同じような末路をたどることになるのかもしれません。
しかし、それは、月がなくなり、地球さえも消失し、太陽でさえその輝きを停止した遙かな未来の出来事です。


M82

VISAC望遠鏡 ST7Custom with AO-7 2Hz駆動 5分×22
R200SS CV-04L R=5分×3 G=5分×7 B=5分×5+10分×3

色彩はこちらの方が美しいですが、構造描写はやはり28cm鏡の方が上か?
もっとも、カメラも撮影条件も全く違いますから、参考にはなりませんが・・・。 inserted by FC2 system