Hα Image OIII Image
HeII Image RGB=Hα,OIII,HeII   ×2Digital Zoom

M57 Narrow Band Image
MT160 ST7E Hα=10分×18 OIII=10分×8枚 HeII=10分×21枚 

狭帯域フィルターで撮影したこと座のドーナツ星雲です。
惑星状星雲を狭帯域フィルターで撮影すると、構造が全く異なって写ることに驚きます。
t特にこのドーナツ星雲は大変興味深い被写体となります。
と、いうのも上の画像をご覧になれば、判るように、なんとHeIIではドーナツのリングが消えてしまいます!!
写っているのはリングの内部・・・眼視でもほのかにリングの内部が外側に比べて明るくなっていることを見たことがあると思いますが、
ちょうどその部分だけを写していることになります。
逆に、リングしか写らない!という波長もあるのですが、さすがにその波長のフィルターまでは持っていません。
OIIIではHαに比べややリングが丸っぽい点にも注目してください。
また、Hαではこの星雲が持つ淡いハロがかすかに写っているのですが、おわかりになるでしょうか・・。
撮影時、黄砂で透明度が最悪であり、またシンチレーションも悪かったようで、これらの淡い部分や内部構造を上手く抽出できなかったのが残念です。うす雲も時折あったようで、フレームごとの写りに格差が見られるものも多々ありましたが、これらの画像ではあえて無視して加算合成を行っています。
薄雲がなければ、HeIIももう少しは写りが良かったかも知れません。

さて、これらのナローバンドフィルターを用いてカラー合成を行い種々の画像処理を施して仕上がったのが右下の画像です。
今回はあえて、Hα線のハロを描写せず、切り捨てることでリングの構造の描写を向上させています。
この色彩の派手さがナローバンドによる惑星状星雲撮影のもう一つの魅力で、これはHSTや天文台で撮影された画像の色彩をどうにかアマチュアでも再現できないだろうかと思ってチャレンジしてみました。
もう少し透明感を出したいとか、星が青色に偏るのをなんとかしたい(今回、これでも再処理を行って軽減させた方なのです・・)など、いくつかの課題はありますが、個人的にはまずまず、気に入っています。


Hα単色画像 Hα,G,B三色合成画像

R200SS ST-7E Hα=10分×16枚 G=5分×7枚 B=5分×8枚
*GBはR200SSにて

M57の周囲には、淡いガスが広がっていることが、すばる望遠鏡の撮影で有名になりました。
この画像は、それを捕らえたものです。天文台ではすばる以前から撮影されており、インターネットから天文台が捉えたハロの画像をずいぶんと前に入手していまして、いつかは写してやりたいと思っていました。
アマチュアの作例としては初めてのものではないかと思います(2001年4月撮影)。
かなり中心部と、淡いガスとの輝度差が大きいため、同時に表現するのには苦労しました。
何度も処理し直して、ようやく満足のいくものができました。
かなりコントラストがつくこともあって、わずか800mmとしては、かなり構造が鮮明に捕らえられたと思います。

実は、OIIIフィルターでもこの淡いガスが写ったのですが、画像処理がうまくいかず、保留しています。

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