RGB=Hα,G,B Hα単色画像

M51H-alpha

R200SS反射望遠鏡 H-alpha=10分×12 G=5分×5 B=5分×4+10分×2

系外銀河にも、我々の銀河系の中にオリオン座大星雲があるのと同じように散光星雲があります。ただ、あまりに遠いため、ごくごく小さくかすかな赤い斑点にしか写りません。
しかも、淡いために、フィルムやフィルタ/CCDの種類をうまく選ばなくては、系外銀河そのものの光にかき消されてしまうほどかすかです。
しかし、適切な組み合わせで撮影してあげると、系外銀河の腕に沿うように、小さな赤や緋色の斑点を写しだすことができます。
この写真は、SBIG取り扱いの半値幅が非常に狭いHαフィルタで撮影したM51です。
散光星雲が発する水素ガスの光のみを透過する特殊な干渉フィルタなので、さらに明瞭に系外銀河中に点在する散光星雲を描写することができます。
通常の撮影では写っていない赤い斑点がこちらの写真では明瞭に写っています。この赤い斑点はよその銀河にあるオリオン星雲や薔薇星雲のようなもので、星を生む苗床となっています。
また、M81と比べてみると、系外銀河中心付近まで紅い散光星雲があることが判り、この銀河では活発に星形成が行われていることを伺わせます。

Hαフィルタでは、ご覧のように、系外銀河に点在するHII領域を描き出すことができますが、いささか、銀河の腕自体の写りが悪く、腕がどうしても青色系統に片寄ってしまいます。
画像処理で対処のしようもありますが、むしろ、半値幅が10nm〜20nm程度のややバンド幅が広めにとってあるHαフィルタを用いた方がHII領域を強調し、かつ銀河の腕も表現できるため、観賞用画像として美しくしあがるかもしれません。
HII領域の表現のみを追い求めるのであれば、半値幅が狭いフィルタを用い、さらにコンティニュアムフィルタからの減算処理も行う必要があります。
Hαフィルターとひとことで言っても、様々な特徴があるわけで、目的によって、よく考えて選択する必要があります。

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