三角座にある有名な星雲です。
この星雲までの距離は、250万光年で、もちろん、我々の銀河系の属する局部銀河団の一員です。
さて、この星雲、ものすごい好条件下と良い視力の持ち主であれば、肉眼(裸眼)でもかすかなシミのように見えるそうです。
望遠鏡では、ぼんやりとした淡い光芒が大きく広がるばかりで、とらえ所がないというのが感想です。
しかし、写真写りは良い星雲で、渦巻きの様子やそこに点在するHII領域(散光星雲)も写り、興味深い対象です。
撮影目的に合わせて、フィルム/フィルタの選択をすると良いでしょう。
冷却CCDカメラでHII領域をたくさん写し出すには、R64+赤外カットの組み合わせが良いでしょう。
Hαフィルタをつかうと驚く姿を見せてくれます。
また、HU領域は、中心部付近ではほぼ赤でHαの輝きが強いのが判りますが、周辺部のいくつかの星雲は、青紫色に再現されています。
これは、腕の周辺に広がる大型散光星雲には、OV線も強く発光していることを示しています。
今回は、借用したST10XMEを使って撮影しています。ST8XMEに比べ、より高精細化された画素と、より広い面積(約15mm×10mm)のおかげで、MT160の1000mmで撮影しました。
下のε200での撮影に比べると口径は劣っていますが、画素が細かく焦点距離が伸びた分、やはりより高分解能に撮影することができます。
ピクセル等倍画像は、こちらで見てください。
M33を透かして見えるオレンジ色の銀河や、HU領域の微妙な色彩の違いなどなど・・
とても魅力的な銀河です。
この銀河は前述の通り、大変近くにあるため、アマチュアの望遠鏡であっても、驚くほど高分解の映像を得ることが出来ます。
今回は、画象を縮小してしまうのが惜しいので、150万画素、フルサイズ、ピクセル等倍で掲載しました。
今回、SBIGのフィルターセットで撮影しました。このフィルターセットでは、HU領域の描写に長けていて、銀河の中に埋もれがちな紅い煌きを見事に写しとります。
こちらは、IDASのType2LRGBフィルターによる作例です。SBIGのフィルターとはまた一味違うニュアンスで描出されます。HU領域の描写こそ、SBIGに譲りますが、中心部の黄色から腕の青色へのまろやかな色の変化は、このフィルターセットならでは、という気がします。