Hα Image OIII Image
SU Image  参考:IR-Block filter Image

M1 Narrow Band Image
R200SS ST7E OIII=10分×10枚 Hα=10分×12枚 SU=10分×4枚

狭帯域フィルターで撮影したがに星雲です。
かに星雲の魅力のひとつは、フィラメント構造でしょう。
しかし、通常に写した場合、赤外カットフィルターを用いても、フィラメント構造は埋もれてしまいなかなか明瞭に抽出できません。
このような場合、NarrowBandフィルターを用いることでフィラメント構造を抽出することができます。
赤外カットフィルターでは判りにくいフィラメントが各NarrowBandフィルターで明瞭に描出できていることが判るでしょう。
各フィルターによって、フィラメント構造の出方が異なることにも注目してください。

RGB=Hα,OIII,SII  キットピーク風 RGB=SII,Hα,OIII  HST風
RGB=SII,G,B 参考: Normal RGB


これらのフィルターを使って三色合成したかに星雲です。
左上のかに星雲は、RGB=Hα,OIII,SIIとしてカラー合成したもので、キットピークなどの大天文台の画像でよくみかける配色です。
個人的には色彩が豊富で気に入っています。
右上は、HSTが撮影したM16と同じ配色で、RGB=SII,Hα,OIIIと波長の順番に並べて合成した画像です。
ちょっと緑が強くなりすぎてしまい、とりわけ、青色に割り当てたOIII輝線がやや判別しにくくなります。
しかし、S/Nが良いHα画像を人間の目に敏感な緑色に割り当てるため、カラー画像のS/Nも向上し、アンシャープマスクをかけることができました。ナローバンドでの散光星雲などでは、やはりこの配色とするのが良いのかもしれません。

しかし、上のどちらのかにも違和感がありすぎるという向きには、左下のように、RGB=SII,G,BまたはHα,G,Bとしてはいかがでしょうか。
右の通常のRGB画像に比べればずっとフィラメントが強調され、色彩も自然なカラー画像になっていることが判ると思います。

このようにいろいろなフィルターを使って雰囲気の異なるカラー画像にするのも冷却CCD画像の愉しみ方のひとつだと思います。




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