Moon Eclipse 2000

100SDUF屈折望遠鏡 CV-04L R,G,B=0.008sec

2000年7月16日の皆既月食です。
前日までの天気予報では日本全国壊滅的な雨で、とても見れないと思われていました。
ところが、全国の天文ファンの祈りが通じたのか?夕暮れ時には快晴となり美しい月食を堪能することができました。

今回、わざわざ冷却CCDを持ち出したのは、カラーフィルムでは赤系統の色になりがちな月食ですが、実際に望遠鏡で見ると、意外と色彩が豊富というのが頭の中にありました。
そこで、冷却CCDカメラ+干渉フィルターの高い色分離性でそれをなんとか表現できないだろうかというのがねらいでした。
それと、小惑星ベスタがこの近くに通るので、それも捉えてアニメーション化を図りたいというのがありました。後者は恐らく視界に入らなかったことと、途中でトラブルがあったりで、実現できませんでした。
色彩表現という点では、皆既直後の微妙な色合いを再現できたように思うのですが、いかがでしょうか。


Moon Eclipse 2000

100SDUF屈折望遠鏡 CV-04L R,G,B=0.008sec

やはり柔らかい微妙な色彩は豊富な階調を持つ冷却CCDカメラでの三色分解ならではでしょうか。
個人的には気に入っています。
三色分解撮影では実際にはタイムラグが生じるのが難点ですが、それを補ってあまりある魅力があります。
しかし、写野の狭い冷却CCDカメラでは焦点距離が短い光学系を用いなければならず、KAF400では解像力が物足りないことは否めません



Moon Eclipse 2000

BORG76ED屈折望遠鏡 QV8000SX PL40コリメート法 1/60,1/20,1/4sec

デジカメの場合、小さいピクセルのため、どうしてもダイナミックレンジが冷却CCDカメラはもとより、銀塩フィルムに比べても劣ります。
しかし、このように露出時間が異なる写真を撮影し、積算して画像処理を施すことにより、暗い部分から明るい部分まで表現することが可能になります(ワイドレンジ処理)。
画像自体は、ちょっとピンぼけでしたが、明部と暗部の赤銅色との間に暗青色の部分があることに注目してください。
これは実際に望遠鏡を覗いても見える色なのですが、フィルム写真でこの色が写っている作品はみたことがない気がします。

Moon Eclipse 2000

BORG76ED屈折望遠鏡 QV8000SX PL40コリメート法 

こちらは、QV8000SXで撮像した皆既時の月面写真です。

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