M17 Narrow Band


RGB=SII,H-alpha ,OIII Hubble Palette

M17 Swan Nebula Narrow Band
Orion30cm反射望遠鏡 with パラコア2 SXVR-H694

M17白鳥星雲のハッブルパレットカラー画像です。
明るい星雲ということもあり、比較的写しやすい天体ですが、NarrowBandでさすがに1晩で撮りきるのは、少し無理だったかもしれません。
特にSUが弱いということもあり、やはり複数晩撮影することが画質を上げるためにも必要だったかもしれません。
それはさておき、この天体は、なかなかに、HubblePaletteで狙うには難しいです。
複雑なガスの様子を色彩で描出できるのがHubblePaletteの魅力ですが、構造が細かく、複雑なガスがある上、Hαがほぼ全体にカブってくるため、
なかなか思う様な表現ができません。

とはいえ、ディテール表現は十分にできたと思います。
欲を言えば、やはり、あともう一歩、分解してくれれば・・と思いますが、低空気味な天体ということもあり、これがやっとかなぁ・・。


RGB=SII,H-alpha ,OIII HST Color Image

M17 Swan Nebula Narrow Band Image
Vixen FL-80S 蛍石屈折望遠鏡withレデューサ ST-7ME
SII=2分×9,H-alpha=2分×12,OIII=2分×9

M17白鳥星雲のナローバンドカラー画像です。


配色はRGB=SII,H-alpha ,OIII のHST配色としています。
さて、やはり通常の画像と比べてしまうと奇異に感じるかもしれませんが、青緑色の領域が主に酸素輝線であるOIIIが強く分布しており、
周辺のオメガ星雲のおオメガの左半分にあたる部分には、SIIが強く分布していることが判ります。
もっとも、そうはいっても、最も強い強度を持っているのは水素原子の発光であるHIIであることに変わりはなく、
この種のカラー画像の場合、Hα線の強度を抑えて色バランスをとって合成しているからこそ、各元素の分布が見やすいのだと、自分でやってみて思います。
天文台の画像もそうしているのでしょう。むろん、そうでなければ、普通に写したってHαで紅くならないですよね。

上のナローバンドカラーについてですが、 本来、赤黒いはずのHαとSUをそれぞれ、緑と赤に、青緑色である筈のOIIIを青色として、三色合成処理を行っているわけですから、三色分解合成こそしていますがTrueColorではありません。

もっとも、Hαを鮮やかな赤色に表現してしまう、通常の三原色フィルタによる撮像やカラーフィルムでの撮影はTrueColorといえるのか?
というと、それもまた違うように思ったりします。
まあ、アマチュアとしては、Hαが赤グロく写ったって面白くないわけで・・。
目と同等の発色を再現したところで面白いものではないと思いますし、また、もともと、天体写真自体が、見えないはずの星雲の色が赤く写ってくれる!というのが一つの魅力だったはずです。
そもそも、センサ/フィルムの特性を無視して人間の目で感じる色調を元にして、TrueColorを論じていいものなのか・・・。

何をもって、真の色というのか・・・色は難しいですね・・・。

さしあたって、鑑賞写真としては、自分の表現目的にあった色彩表現ができていれば、それで良いのではないかと思っています。
たとえ、真の色でなくったって。
まあ、あまりにフィルター特性を無視して、強引に色バランスを崩すのはどうかと思いますけどね。

ただ、この画像はもちろん、そうなのですが、通常の三色分解フィルターによる画像も、所詮は、FalseColorに過ぎないのかもしれない・・・
そう、心に留めておくのも悪くはないんじゃないかな。


さて、各フィルターによるM17白鳥星雲です。
VixenFL-80Sはレデューサーを用いると、焦点距離448mm。
やや短いかもしれませんが、散光星雲を捉えるには都合が良い写野を提供してくれます。

OIIIでは眼視でちょうど見えるところが写りました。
う〜ん、トータル18分の露出をかけていますが・・・32cmドブソニアンにOIIIフィルターを介して眺めた時の印象がこんな感じでした。
星雲の微細構造はこちらの方が判りやすいですが、淡い部分は、眼視で眺めたのと全く変わらない気がします・・。
改めて、目という最高のセンサの威力を感じてしまったりして。眼視もいいなァ・・。
SIIイメージでは、ガス周囲の部分が明瞭に描写されます。渦巻くガスの様子はなかなか見応えがあるのですが、
いかんせん、S/Nをあげるには長時間露光をかける必要があり、この画像でも強調処理を行えずにいます。
Hαイメージは、やはり散光星雲を写すならHαが一番!といっているような画像で、アンシャープマスク処理も行い、よりガスのうねりを明瞭にしています。ガスのうねりはSIIイメージと似ています。
S/Nの面からも階調の豊かさの点でも他のフィルターの画像とは全く写りが違います。
H-alpha Image
OIII Image SII Image

M17 Swan Nebula

タムロン300mmF2.8⇒F4 ST-7E Hα=3分×10コマ

タムロン328で写したHα画像です。短い焦点距離ながら、複雑なガスがうねる様子を描出することができました。

以前に撮影した100SDUFで普通にRGB撮影した画像から色信号を割り当ててみました。
透明感がでない、星像がシャープすぎるため、どうしても星のにじみが目立つ等、欠点はありますが、それでもカラー画像はやはりいいものです。


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