月と火星の接近 ’2003


月と火星がなんと 6 ’まで接近するという現象があった。
これは、隠れた大イベント?
なにしろ6’ですよ。6’。
月の大きさが約30'だから、月の直径の1/5のところに火星がいたりするわけですね。
知ったのは、わずか3日前、まぢめに撮ろうと思ったのは昨日だったりするが、
とにかくやってみよー!

まずはどの武器(カメラ)で撮影するか、です。
6’という大接近ですが、とはいっても、このサイズ、実わCCD画像にとっては、まだまだ離れているんです。
ToUcamだと6’という距離はかーなーり離れていて、直焦点撮影でやっとかな、という感じです。
直焦点だと、さすがに、ちょっとばかし、解像力が大丈夫かなあ。
せっかく、月と火星が並んでいても、火星の模様が写らないと面白くないですよね。
ToUcamは高解像ですが、、、さすがにちょっと直焦点(MT160+コレクターで1280mm)では苦しいかも。ちょっと不安。
しかも、けっこう、ギリギリなんですよ。
結局のところ、S2PROで撮るのが一番妥当かな。

さて、昼間はすこぶる良い天気だったが・・天気予報では崩れてくるようだ。
案の定、帰宅した頃には西空から雲が・・。

こりゃあ、ダメかなあ。
どうしよう。
機材を出すのはいいけど、雨でも降られた日にゃあ・・。
それに平日だし〜
とかなんとか根性ないこといっている内に雲間から月は見える。
まあ、望遠鏡を出すかどうかは別として、とりあえず、S2Proをカメラ三脚に載っけてパチリ。
月の近くに火星が輝いている様子は美しい。眼で見たままを捉えることができればいいのだが・・
さすがに、しろーと、そうはうまくいかない。

それでも、あーでもない、こーでもないと何枚か撮っているうちに、撮影が楽しくなってきた。
S2PRO、やっぱ楽しいなあ〜。
ST7EとかToUcamとかだとこういう気分にはならないよね。
やっぱ、S2PROは撮っていて楽しい。
なんでかなあ。
形がカメラだから?
なんというか、Webカメラとか、冷却CCDカメラとかと違って、撮影しているんだ!
という実感が湧いてくるというか。
使ったのは、実に4ヶ月ぶりだったりするのだけど、やっぱり、けっこう、好きなんだよねー。S2PRO。

さて、天気は、雲は出てきたものの、切れ間はそれなりにある。
雲間から撮れる、か?
S2PROでパチパチ撮っている内に気分ものってきて、望遠鏡を出す気力が出てきた。

で、途中、火星どこだ〜とか、ファインダがあってない〜とか、うわーやっぱ、曇ったか〜、どうしよう、片そうか、とか苦労(?)はあったのですが、ま、それはおいといて。
あ、それとなんかスマートメディア、調子悪かったな。なんだか書き込みが遅くて・・
今回、これにやられた面もある。連射が効けばもうちょっとはマシな画ができたのかも。
失敗だったなァ、PCで一応フォーマットかけたんだけど、考えてみれば、カメラからフォーマットするのが正解だったよな。
って、それはそれとして!

一時は、全天を雲が覆い、もーダメだーと思ったりしたものですが、
再接近の頃には、雲がさーっとどいてくれて、突然の快晴!!
おかげで個人的にはまずまず満足のいく映像が得られました。うん、まあ、いいんじゃないかな?

MT160+コレクターレンズ+Or18引伸法  露出(確か ^^;)1/250秒 ISO1600 JPEG保存

えーと、データ残らないんでしたっけ?S2PROってば・・。露出どうだったかなあ。
ミラーショックの影響を回避したいという一心で、ISO1600設定にして、露出は1/250秒くらい(^^;)で切るようにしたんです。
なにしろ、S2PROでの惑星撮影は初めて。
おまけに、なにしろ、まぢめにこの現象を撮る!と思ったのは昨日ですよ、これまでの撮影経験や露出データなんてありゃあしない。ぶっつけ本番です。
あたって砕けろってな具合で挑んでみたわけです。それでも、実際、砕けなくなったのはデジタルの一番のメリットですよねー。
撮ってダメだったら、その場で設定を変えてトライ&エラーができるのはやっぱり、こういうチャンスに強くて良いです。
銀塩フィルムだったら、上がってみたら、露出オーバーで火星面がトンでた〜とか、僕のばあい、ピンぼけだったー(94年のスピカ食ん時やってまいました。(ToT) ちなみにコレ)とか、なにかしら上手くいかなかったものです。

あ、それと、この画像、火星のみ4コマコンポジットしたものを重ねています。
前述の通り、今回、スマートメディアの書き込みが異様に遅いこともあって・・・火星中心でコンポジットすると、月面がブレちゃうんですよね。月の移動って早い。
それで、火星だけ4コマ加算平均とったのを後で合成しているんですけど・・やっぱこれって反則ですかねー・・・。
うーん、個人的には微妙なセン。とりあえず、やっちゃったけど。
だって、これを認めてしまえば、極端に言えば、月は月でS2PROで撮影しておいて、火星は、火星でToUcamで高解像で撮ってから、大きさの比率をとって、縮小して合成しちゃった方が良い画像ができそうでしょう?
でも、なんかそれって、、、いかにも合成写真ですよねえ・。
いや、まあ、コンポジットした時点で合成写真は合成写真なんですが。(だから、冷却CCD画像はみんな合成写真なのさっ。・・・否定する人も多いかもしんないけど・・。)
うん、まあ、こういう写真ってどこまで認めるかって難しいところですけど、これくらいまでなら、個人的には、なんとか許せる範囲ギリギリかなあ。
・とにかく、まずは、眼視で見た印象に近づけること。
・もうひとつは、露光時間を変えることは許しても、同じ機材で、あまり時間をおかずに撮ること。
・なるべく、部分的な画像処理は避けること。(最近、ナローバンドでのカラザノイズ除去ではこれは破ってますがー。ま、まあ、ちょっとこれとそれとは問題が違うしねー ^^;)
かなあ。
今回の写真は、火星のみをコンポジットしているってことで、ちょっとなあ・・・と抵抗を感じているわけ、です。

それにしても、突然だったとはいえ、まさか、雲がどいてくれるなんて。
望遠鏡を出して良かったなァ。
でもね、普段だったら、絶対こんな曇りまくりの悪条件だったら、撮ってなかったと思うんですよ(←根性なしなのである)
ヤル気になったのは、やっぱりS2PROという使って楽しいカメラだったから。
結果だけからみちゃうと、ToUcam+直焦点でも良かったのかもしれないけど、もし最初からToUcamを使うつもりだったら、
絶対やってなかった気がする。

なんだかんだで疲れたけど、結果はともかくとして、けっこ楽しめた現象でした。

inserted by FC2 system