2007F1 LONEOS彗星

2007.10.11
タムロン300mmF2.8開放 EOSKissN改 L=1分×5 

10月末に太陽に0.4天文単位まで接近し、肉眼彗星になることが期待されている彗星です。
ただし、観測条件は悪く、近日点通過後は、西空低空にしか姿を現しません。
また、10月上旬でも、東空低空にしか姿を現さず、夜明け1時間前に10度程度しかあがってきてくれません。
観測条件は極めて悪いです。

この日も決して観測条件が良いわけではありませんでしたが、彗星の高度と天気を鑑みると、やるなら、ここしかない!と判断し、平日ではありますが、なんとか気力を奮いたたせ撮影してきました。

2時過ぎに起きて、車に機材を積み込み、いつもの獅子が鼻公園へと向かう。
空は・・晴れている!
実は、この日は22時頃までくもっていたのでした。

2時半に出発し、3時前には撮影ポイントに到着。
獅子が鼻公園から少し離れた東が開けたところが彗星のいつもの撮影場所なのである。
ここで、C/2004F4をはじめ、多くの彗星を捉えています。
機材は、平日であることから、無理をせずに、EM-200赤道儀にタムロン328を載せて、EOSKissデジタル改でノータッチガイド撮影の至ってシンプルな装備。
時間があれば、ポイマンスキー彗星の時の様にもう一つ望遠レンズ+冷却CCDカメラでも載せたいものですが、、、。
カメラ単体だと準備は至って早い。彗星が昇ってくるまでは余裕がまだまだある。
夜空を見上げると、赤く輝く火星が印象的。
ン・・?あの位置ならば・・?

案の定、くらげ星雲と同一視野に収められました (o^-')v
ところが、盛大にピンぼけ。う〜ん。
実は、タムロン328+改造KissNでは初組み合わせ。
タムロン328は色収差が大きいので、ちょっとピントにクセがあるというか、難しいですね。

幸い、彗星が昇ってくるまで、まだ時間はある、と、念入りに合わせ直し。
ところが、この頃から、なんと東からいやーな雲が湧いてきた、、、と思ったら、あっという間に全天を覆ってしまいました。
うぅ、、。

雲は切れ目がそれなりにあるので、金星が見えたり、隠されたりしています。
金星に照らされ、ほのかに薄く輝く雲の端、雲を透かして見える金星が実に幻想的な様子を醸し出しています。
なんとも美しい眺めにしばし見入ってしまいました・・・

さて、EM−200に装備しているPyxisはすでにアライメントも取り終えています。
空は雲で覆われていますが、切れ目が出ることを祈って、自動導入で彗星に向ける・・・!
時刻は4:10。
果たして、自動導入が止まったその先は・・・雲でした(笑)
それにしても、筒がほとんど水平を向いてしまっています。こりゃ、思った以上に低空だな、、、。
液晶モニタには雲しか写らないが・・・
目で見る限り、雲は切れ目がある。金星もときどき、雲から顔を覗かせ、その鋭い輝きを放つ。
切れ目が来ることを信じて、露出を1分とし、連続撮影を開始する。
・・・
・・・
・・・ときどき、PCに転送されてくる写真には星らしきものが写るが明らかに雲の中で写りが悪い。
薄明が進行し、もうダメか・・・と諦めた時、雲が切れた・・!
どれだ、どれが彗星だ・・?
真ん中には入っていない。だが、、、入っていることを信じてそのまま撮らせるしかない。

幸い、彗星は、画面上に入っていてくれました。ほっ。
時刻は、4時42分。薄明はかなり進行してきている。なんとか薄明と雲をかいくぐって撮った5コマをコンポジットして出来たのが、上の写真です。
うっすらとかすかに左の方に尾が伸びているのが判るでしょうか。
なんとか撮影できて良かった。
でかけてきたかいがありました。


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