17P Holmes彗星


2.4天文単位の遙か彼方で、突然、増光を起こし、2等級まで明るくなった彗星です!
もともと17等級だった天体がいきなり2等級まで明るくなり、町中からでも肉眼で見ることができました。

2007.10.25
Nikkor24mmF2.8→4 FinePixS2PRO 30秒 

アストロアーツのニュースで、17Pホームズ彗星増光のニュース。
なんと2等級まで増光しているとのこと!
な、なんですと!
然し、天気は下り坂。撮影するとしても、長焦点鏡が必要だろうということもあり、天気の回復を待って、、、と、思っていたところ、
友人・知人達から、メールの嵐。
薄雲を通しても見える、カペラより明るい!?などなど。
いてもたってもいられなくなり、外に出てみる。
雲は多いが、ときどき薄い切れ目があるようではある。
とはいえ、時折、薄雲を通して星が見えるものの、星座の形すら判然としない為、良く判らない。
あれだろうか・・?
う、うーん、雲が多くてはっきりしませんが、確かに雲を透かして、北天になにやら見慣れない明るい星があります。
しかし、すぐに雲が厚くなり、星を覆い隠してしまう・・。
カメラをカメラ三脚に乗せて、暫く待つが、雲が厚く、星が見えない。
月はぼんやりと大地を照らしてくれている。
まだ・・・可能性はある・・。
しばし、待つ。
そして、ついに雲の切れ間が北天に!
カメラをだいたいの方向に向けてシャッターを切る!
夢中だった。露出中に眼視でも確認。
すごい、肉眼で彗星が見える!
町中から肉眼で彗星を見るなんて、1997年のHale-Bopp彗星以来ではないだろうか!
いやー、タダの星なんだけど、なんだか燃えましたね〜。

次は長焦点でいきたいなー。


2007.10.27
ASC-11with AC2 SXV-H9 L=0.04秒×600枚

2007.10.27
ASC-11with AC2 SXV-H9 R=0.5秒×200 G=0.5秒×200 B=1.0秒×200

夕方まで雨でしたが、21時頃には晴れてきましたので、少し悩みましたが、望遠鏡を出して撮影しました。
LuckyImagingにDrizzleにDeconvolutionなど数々の秘術(?)をほどこしてみると、彗星核からジェットが吹き出している様子が、
出てきました。

2007.10.27
ASC-11with AC2 SXV-H9C L=30秒×8

カラー冷却CCDカメラでも撮影してみました。眼視で見ると、ちょうど、色もこんな感じで見えました。
でも、いつもの手法で、ホワイトバランスを合わせると白っぽくなってしまいます。
この部分がダストだとすると、太陽光を反射しているのだと考えると白くなって当然なのかもしれませんが、
やはり目で見た以上は目の色合いに合わせたい気がします。

2007.10.27
タムロン300mm F2.8開放 Cooled KissN 5分×4

淡い尾が出ているかもしれない、という可能性を踏まえ、タムロン328で長時間露光を行ってみました。
月光下の町中での撮影ですが、F2.8でこの露出で何も写らないので、テイルが伸びているとしても相当に淡いのではないかと思います。
ただ、彗星らしい色調が出てくれました。どうやら、ダストで形成されている外に、コマが発生しているようです。


2007.10.28
ASC-11with AC2 SXV-H9C L=1秒×110

湿度が大変に高く、補正板があっという間に曇ってしまいました。
110枚を選別せずに全て加算したのがこの画像です。明るい被写体だったので、辛うじて写し出すことができました。
彗星の形状自体は、昨日とそう変わりはありませんが、さらに大きくなった感じです。


2007.10.29
NA140SSf FinePixS2Pro L=30秒×12

彗星が大きくなってきているので、これまでのシステムでは、収まり切れなくなる可能性があったことと、
周囲に広がるコマも写し込みたかった為に、機材を変更しました。
カメラはFinePixS2PROを使いましたが、やはり彗星には適任で良く写るものです。
透明度が悪かったので、コマの写りが悪いのが残念ですが、内部の構造と同時に写し出すことが出来ました。


2007.10.31
NA140SSf FinePixS2Pro 1分×7+3分×4

10/31のホームズ彗星です。
先日よりもさらに大きくなったようです。
同一光学系で撮影した先日の画像と比較してみました。


2007.11.03
NA140SSf Cooled KissDN 1分×8+5分×4

知人の11cm双眼鏡でみると、大迫力な姿を見せてくれました。

2007.11.03

NA140SSf Cooled KissDN 5分×4

ホームズ彗星にイオンテイルが出ているという情報を聞き、撮影したデータに写っていないかどうかチェックをしてみたところ、辛うじて、本当に、
辛うじてそれらしきモノが写っていました。
どうも、LPS-P2を入れているせいか、イオンテイルの写りが極端に悪くなってしまっているようです。
次回、対策を施さなくては・・。


2007.11.08
ε200 SXV-H9 L=5分 R=5分 G=5分 B=5分

今回は冷却CCDカメラで撮影してみました。
デジカメに比べると内部の核からガスが吹き出ている様な形状や、内部のテイルの様子などが明瞭に描出することができます。
高解像の描写を得意とする冷却CCDカメラならでは、というところでしょうか。
彗星の中にもう一匹、彗星がいるみたい。


2007.11.11
シグマ180mmF3.5望遠レンズ Cooled KissDN 10分×11

前回撮影時の教訓を生かし?イオンテイルを捉える為には、カラーフリー(色収差が無い)光学系を用意する必要があると、判断しました。
手持ちの武器としては、反射望遠鏡はすべて該当しますが、イオンテイルを捉えるには、焦点距離が長く、また、F値が暗めです。
そこで、手持ちの望遠レンズのうち、シグマ180mmF3.5マクロを選択しました。
これは知人からお借りしているレンズで、マウントはペンタックスKマウント仕様なのですが、マウントコンバータを用いて、KissDNに取り付けます。

さて、このレンズは色収差が非常に少ないため、使っていて気持ちいいものです。
反面、ピントリングが非常にシビアーでピントを追い込むのに非常に時間がかかってしまいました。ほんのわずか動かすだけでピンぼけになってしまうので、非常に難しいです。
色収差は見ての通り、非常に少なく美しい色彩を得ることができるのですが、残念なことに、写真右下側の星像が大きく崩れてしまいます。
この写真はトリミングしていますのでさほど気になりませんが・・・。

さて、彗星のテイルですが、本体から少し離れたところにうっすらと青く見えているのがイオンテイルです。
継続的にイオンテイルを出しているのではなく、活動がストップしたのでしょうか。そのため、本体からはぎ取られた位置にのみ、イオンテイルが見えるのかなと思います。


2007.11.12
ε200 SXV-H9 L=5分 R=5分 G=5分 B=5分

この組み合わせでは、もはや限界ぎりぎりのところまで彗星が広がってきました。
彗星は相変わらず明るいですが、さすがに町中では肉眼では見えなくなりつつあります。


2007.11.13
NA140SSf CooledKissDN 5分×4

SXV-H9では収まり切れなくなってきましたので、カメラを冷却DSLRに変えました。
もっとも、この季節だと、冷却不要かなぁ〜。
光学系は色収差が残るので、やはりε+冷却CCDカメラの方が星像がすっきりとしています。


2007.11.17
NA140SSf CooledKissDN 5分×4

彗星自体は形状に変化はありませんが、再バーストの可能性もあるとのことで、油断するわけにもいきません。
今日は、明るい星が入ってきてアクセントになりました。
右上の明るい星はαPerアルゲニブです。
町中では見えなくなってきましたが、郊外ではまだまだ肉眼で見えます。


2007.11.21
NA140SSf CooledKissDN 5分×6

自宅からの撮影。さすがにこれだけ明るい天体となると、自宅だろうと山奥だろうと写り自体は変わらないものになります。
S/N良く撮れる(ヒストグラムのレンジ幅が広い)ので、背景の荒れが相対的に気にならなくなるからです。
今回は、光学系は前回と同じですが、この写真は4×4ソフトビニングを行った上で、ノートリミングなので、彗星の大きさは違って見えます。



2007.12.01
NA140SSf SXV-H9 3分 モザイク合成2コマ

SXV-H9では収まり切れなくなっていましたが、モザイク合成で狙ってみることにしました。
4コマモザイク撮影する予定だったのですが、撮影開始が遅れた為、子午線をまたぐことになってしまい、途中で断念しました。


2007.12.02
NA140SSf Cooled KissDN 5分×9

800mmではAPS-Cサイズでも一杯一杯になってきました。どんどん広がってきています。
ただ、輝度もだいぶ落ち、淡くなってきています。


2007.12.09
NA140SSf Cooled KissDN 5分×4

撮影に出かけて、セットしたら雲が・・・。
雲間からなんとか4コマ撮影しました。雲があるとどうもフラット補正が上手くいかず、処理に苦労しました。


208.0109
タムロン300mmF2.8 Cooled KissDN 3分×5

気がついてみれば、一月ぶりの撮影です。
彗星はさらに淡くなりました。空の条件は良く無かったせいもありますが、肉眼では見えませんでした。


2008.03.05
Nikon 200mmF2 Cooled KissDN 5分×4

ホームズ彗星とカリフォルニア星雲の接近です。
ホームズ彗星もすっかりと淡くなりました。光害がある自宅からではなかなか厳しい対象となってきました。
実は、この数日前にも撮影したのですが、光害の為、画像処理が上手くいかず、処理を保留したままだったりします。
この写真も、ホントはちゃんと処理し直してカリフォルニア星雲とホームズ彗星をもう少しクッキリ浮き上がらせたいなと思います。

それにしても、赤いカリフォルニア星雲と白いホームズ彗星。こういった星雲との会合も彗星撮影の楽しみのひとつですね。

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