C/2002T7 LINEAR彗星


2004年5月に地球に接近し、NEAT彗星と共に明るくなると期待されている彗星です。

2003.12.22
VISAC望遠鏡 AC2+AC3 ST7ME L=3分×8

LINEAR彗星です。
まだまだ遠方にあるものの、すでに彗星はダストテイルを身に纏い、彗星らしい姿を見せています。


2004.01.27
MT160反射望遠鏡withレデューサ ST7ME L=3分×3

LINEAR彗星です。
西空に残る光害の中、テイルを伸ばしている姿を捕らえることができました。
幅広いダストの尾です。
これから、太陽に近づき、どこまで成長するのでしょうか。
非常に楽しみです。
西空での撮影は、この日が最後になりました。
意外と、、、ここも数年前に比べれば明るくなったのか、西空の撮影は厳しくなってきました。
C/2000A1の頃はそんなこともなかったのですが・・。


2004.04.20
BORG76ED屈折望遠鏡+AC2 FinePixS2Pro 1分×15

LINEAR彗星です。
いよいよ近日点通過まであとわずかです。
実のところ、4月16日にも撮影を試みたのですが、低空のモヤと薄雲に阻まれて辛うじて存在が判る程度しか写せませんでした。
それでも大化けを期待して、平日だったのですが透明度が良かったので、撮像を試みました。
かすかな尾ですが、この画角をはみ出しているように見えます。
また、8時方向に、アンチテイルが出ているのが判りますでしょうか。
この写真では非常にかすかですが・・・

いずれにしても、期待ほどには明るくなっていない印象でした・・・。


2004.04.23
左:FL-80S屈折望遠鏡withレデューサ ST7ME IDAS/KT 3分×3
右:BORG76ED屈折望遠鏡+AC2 CV-16 2×2ビニング 3分×2

冷却CCDカメラによるLINEAR彗星です。
前回の撮影でテイルが想像以上に淡いことが判りましたので、今回は冷却CCDカメラを引っ張り出してきました。
さらに、田中一幸さんのご厚意で、譲っていただいた、IDAS/KT Cometフィルタを使用しています。
このフィルターは、ケンコーのコメットフィルターなどとは違い、IDAS社のマルチバンドパステクノロジを使い、彗星のイオンテイルの成分である、C+,H2O+の分子による発光を透過させる特殊干渉フィルターです。
そのかいあって、低空での短時間露光にも関わらず、彗星のイオンテイル、アンチテイル(ナローバンドというわけではないので写る)を見事に描写することができました。
C/2002V1の時に頂いた秘密兵器(笑)です。1年以上経ってしまいましたが、ようやく実践の機会を得たわけです。
ST7MEでは画角が広くとれないのが難点ですが、満足がいく結果を得ることができました。

また、今回、ST7MEとCV-16による同時撮影を行いました。CV-16はノーフィルターでの撮像で、非常にかすかですが、アンチテイルがかなり伸びているのがおわかりになるでしょうか・・。
この写真の短編、左端ぎりぎりまで伸びているようです。もう少し撮像枚数を稼いでおけば良かったのですが・・・。
CV-16はまだあまり慣れていないシステムだったため、トラブルがあり、2枚しか得られませんでした。
2×2ビニングで撮像を行っていますが、目的は感度を稼ぐためではなく、転送速度の向上によりコンポジット枚数を稼ぐための処置です。なにしろ、パラレルポートでは160万画素で約1分もかかりますので、時間との勝負になる彗星撮像では、使いづらいのです。


2004.04.28
タムロン300mmF2.8開放 FinePixS2Pro sc46 90sec×3

LINEAR彗星です。
突如として、出現したブラッドフィールド彗星に話題をさらわれっぱなしになってしまいましたが、
どうしてどうして。
しっかりとテイルを伸ばしています。近日点通過で多少明るくなったか、それとも観測条件(この頃最も高度が上がる)が良くなったからでしょうか。コマも大きくしっかりとしていて、まずまず立派な彗星といっても良いのではないでしょうか・・・。
とはいえ、、、少々、期待外れの感は拭いきれません・・。

SC46はタムロン328の色収差対策として使用したものですが、彗星のイオンテイルの青色を描写しにくくなる可能性があります。
しかし、そうはいっても、ノーフィルターでは青色収差が盛大に発生しますので、悩むところです。


2004.06.04
タムロン300mmF2.8開放 CV-16 SC46+IRC=2分×4

LINEAR彗星再び。
西空に姿を現したLINEAR彗星です。
3度目の再会。
1度目は、今年はじめ。西空で期待を胸に、見送りました。
2度目は、東天の明け方で。しかし、期待は大きく裏切られ、ただ寂寥感を残して、南半球へと沈んでいきました。
そして、3度目。
彗星は、南西低く、天竜川河川敷からでは、市街地方向にあたり、光害の影響を顕著に受けます。
しかし、それでも、 テイルがまだ健在であることを写すことができました。
恐らくは、これが最後の撮像となるでしょう。

最盛期を過ぎた今、最後になってようやく素直に見ることができる。
高すぎた前評判さえなければ、 イオンテイルにアンチテイルとなかなか楽しませてくれた彗星だったのではないでしょうか。

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