C/2001Q4 NEAT彗星


1等級に明るくなるのではないかと期待されていた彗星です。
しかもC/2002T7と共に肉眼彗星として2つ同時に天空に輝くと非常に期待されました。
が、残念ながら、LINEAR(C/2002T7)と共に光度は伸び悩み、その期待は裏切られました。
しかも2つの彗星が2つ共暗くなってしまったものですから、かつてのコホーテク、オースチン、以上に落胆した人も多いのではないでしょうか・・・。
とはいえ、観測条件が良くなった5月半ばにはなかなか見事な姿を見せてくれたと思います。

2004.05.11
タムロン300mmF2.8→4 CV-16 L=90秒×8 R=2分×2,G=2分×2,B=2分×5

NEAT彗星です。ようやく撮影できました。
国内からは5月頭から撮影可能になってきていたのですが、位置条件が悪く、テイルがあまり良く写らなかったようです。
それらの映像をみて、あまり期待をせずに撮影したところ意外や意外。光害の最中からの撮影にもかかわらず、しっかりとテイルが写り驚きました。


2004.05.14
MT160反射望遠鏡withレデューサー FinePixS2Pro 90秒×5

しっかりとしたテイルを写すべく、空の暗いところまで遠征してきました。
が、雲が・・
結局、薄雲の中からの撮影になってしまいましたが、それでも綺麗にテイルが伸びている様子や、コマのシアングリーン色、ダストテイルの黄色、イオンテイルの青白色を描き出すことが出来ました。
しかし、、、双眼鏡をお借りして見た限りでは3度以上ないし5度あるように思いましたが、そう考えるともっと写っていてくれても良さそうなものですが・・・。

アニメーションも作成しましたので、ムービーアルバムの方もごらんください。


2004.05.21
ニコン135mmF2.8望遠レンズ 開放  FinePixS2Pro SC46 5分×4

しっかりとしたテイルを写すべく、空の暗いところまで遠征してきました。
が、またしても雲が・・・。
日が暮れると同時に広がってきた雲は、幸い21時半には一端どいて、星空を見ることができるようになりました。
しかし、若干、薄雲が残っていたようです。
そのため、テイルはこの画角をはみ出す位まで伸びているような気もしますが、はっきりとしません・・。
青ハロ防止に使用しているSC46も一因かもしれませんが・・・。
彗星は、イオン、ダストテイルとも、11時方向に伸びていますが、8時半方向にもテイルの広がりが見られます。
アンチテイルでしょうか?

2004.05.21
タムロンXR28-300ズームレンズ 28mmF3.5 CV-16 R=5分 G=5分 B=5分

淡く長い尾があることを期待して、CV-16に広角レンズを付けて撮像したものです。
左からうっすらと見える淡い緑色の光芒はオーロラ。
なわけ、ナイ、ナイ。
要するに三色分解の緑を撮像中に薄雲が横切っていったのでしょう。

ところでタムロンのXRズームレンズは、アスフェリカルの名前とLDの名前が冠されています。
つまり、非球面レンズに、EDレンズを用いた贅沢なレンズです。青色収差に敏感なS2PROでも全く色収差が出ない優れもので、周辺までまずまず満足がいく星像を結ぶのですが、CV-16の場合、光映舎のスライド式カメラアダプターを介してはいるものの、やはりフランジバックが多少合わなく、右側の星像が大きく崩れてしまい性能が出ないようです。
単焦点レンズでは、タムロン328,Nikon135mmF2.8双方ともこのようなことはありませんから、ズームレンズはよほど精密にフランジバックを合わせでもしない限りは、冷却CCDでは性能は引き出せないかもしれませんね。



2004.05.24
ニコン135mmF2.8望遠レンズ 開放  CV-16 SC46 L(IRC)=5分×4 B=5分×2 G=5分×2 R=5分×2

今回は、天竜川河川敷での撮影です。
透明度はそこそこで、決して良い状態ではありませんでしたが、彗星が北に移動してきてくれたおかげで、町中の光害の影響から逃れつつあります。
そのおかげもあって、ようやく長いテイルを写し出すことができました。
テイルは淡いものの、明らかに視野をはみ出していました。
やはり、こういう淡い部分は、旧機種といえども、デジカメよりも冷却CCDカメラの方に軍配があがります。


2004.06.04
タムロン300mmF2.8望遠レンズ 開放  CV-16 SC46 L(IRC)=3分×8 R=3分×4 G=3分×4 B=3分×4

タムロン328で写したNEAT彗星です。
彗星はまだまだ、健在で、淡いながらもこの画角をはみ出す長い尾を引いています。
地球から離れて行っているせいか、相対速度も落ち、望遠レンズでの撮影では、三色分解合成処理でも、星が原色バリバリに発色せず、自然な雰囲気になりました。
しかし、ここまで写るんだったら、暗いところに行った方がよかったなァ。
梅雨入り前、最後の撮影となるでしょうから。
しかし、しばらく撮影はできなくなるでしょうが、彗星は北天に位置します。梅雨明け以降、また撮影する機会はあるでしょう。あと1回は撮影したいなと思っています。



2004.06.22
MT160反射望遠鏡withレデューサ  CV-16Custom L(IRC)=2分×6

西空は光害が残るのですが、まだまだ撮像は充分に可能です。
ずいぶんと、小さくなってしまいましたが、V字型に伸びるテイルは彗星らしくて、素敵な姿をしています。
右側のテイルはイオンテイルでしょうか。
実は、この視野をはみ出しているようなのですが、フラットニングが悪く、そこまで上手く描写させることが出来ません。
光害の中では、フラットが難しいです。

2004.07.16
VISAC+AC2シンメトリカルレデューサ ST7ME 1分×19

だいぶ北西に低くなってきました。
彗星自体も、だいぶ衰退してきたようですが、左側に幅広のダストテイルが広がり、右側にもイオンテイルでしょうか、テイルがあるように思えます。
もっとも、また今回もフラットニングがイマイチですが・・・
やはり、光害がある中での撮像はフラットがネックになります。CCD上のゴミさえなければ、手の打ちようもあるのですが・・。


2004.11.02
VISAC AC2+AC3  ST7ME 5分×16

NEAT彗星です。彗星は、ずっと北天に位置していたのですが、すっかりと暗くなり、もう撮ることはあるまいと思っていました。
ところが、10月末に彗星の軌道面を地球が横切ったため、広がったダストを横から見ることになり、
AstroArtsのギャラリーに非常に立派なアンチテイルを持つ姿が掲載されていました。
これは撮ってみたいっ!!
と、いうわけで、撮影したのが上の画像です。
アンチテイルは彗星軌道面から離れつつある現在、すでに非常に淡く、光害が残る自宅からの撮影では、ノイズレベルギリギリでしたが、辛うじて視野をはみ出している淡いアンチテイルを捉えることができました。
そのままでは判りづらいため、反転させて表示しています。

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