1995S1 deVico彗星

1995.10.3
MIZRL13cm反射望遠鏡 ST-4 L=1分×6  R=1分×2 G=1分×2 B=1分×2

 非常に明るい彗星です。日本から見える久々の肉眼彗星ではないでしょうか。
私が以前に見た彗星はレビー彗星(1990c)になりますから実に5年ぶりです。スイフト・タットルの時は受験で見れなかった。11×80で一応さがしてはみたことはあるけど見えなかった。
いままでも、エンケとか去年のボレリーとか、一応探してはみたものの、やはり相模原からは見るのは難しく、どうせ今回も見れないだろうと思ってたかをくくっていたのですが、7×50双眼鏡でレグルスの近くに明瞭に見ることができて驚きました。

この彗星を7×50ではじめ見たときは、ほとんど恒星状で、ややぼやけているようでしたが、いまいち確信がもてませんでした。なんか怪しい星があるけど・・・これかな?
望遠鏡を向けて見てみるとみると、非常に中央集光が強く、淡い青緑色をしていましたので、一目で彗星とわかりました。さすがに尾までは相模原では見えないようでしたが、あまりよく見ていないのではっきりしたことはわかりません。少しは尾らしきものが見えていた気もします。

 ST4で撮影を始めてみると、彗星の移動量が大きいことがわかりました。そこで、明るい天体だし、短時間露出(1分)を複数撮って、後で合成した方が結果が良いだろうと判断しました。画像の積算は彗星の核(1番明るい部分)の位置を測定し、重ねています。 写っているのはタイプTのイオンテイルのようです。ダストの尾もあるような気がしますが、拡散状で短く、しかもイオンテイルと重なっている気がします(コマの一部かも?)。
 わずかに12分足らずの狭い視界なので、コマ周辺しか写し込むことができませんが、光害のあふれる相模原でも撮影できるのは、移動手段をもたない私にはたすかります。また速写性にも優れているので、メトカーフガイドのような面倒なことをしなくても、まずまずの成果をあげることができるはずです。次は少しでも視野を広くとるために、400mmで撮影してみるつもりです。それでも20分しかとれないのですが・・・。
ちなみにこの画像を撮影した時にはもう薄明が相当進行しており、この5分後に撮影した画像はすでに使い物になりませんでした。三色分解もやりたかったのですが・・・。
一応、撮るには撮ったのですが、枚数が少なかったので、ダメでしょう。 最近は三色分解をすることを前提に撮影をしているので、L37フィルタをピントを合わせるために用いました。光量損失は10%程度あるのですが、いちいちピントを変えなくても良いので便利です。



1995S1 deVico彗星

1995.10.14
100SDUF屈折望遠鏡 ST-4 

1995S1の2度目の撮影。天気が思わしくなかったため、前回の撮影より2週間近く経過してしまった。
彗星はみかけ上、太陽に近づいているのでこれからの撮影条件はますます悪くなってしまう。少なくとも三色分解での撮影はこれが最後になりそうだ。

 今日は晴れてこそいるが、透明度が悪く(低空はモヤのために特に悪い)、また下弦前の大きな月もあり、しかも彗星が昇ってくるのも遅いと条件は良くなかったのですが、4:10分にようやく彗星を捕捉することができました。ちなみに薄明は4:30ころで、B画像を撮っているときにはもはや夜が明けるぎりぎりの時間でした。なにしろ4:55分に撮影した画像は、空が明るくて(つまり、バックグラウンドの値が大きくて)もはや使い物にならなかったのですから。  
それはともかく、今回は先に述べたように透明度が悪かったために、ノイズが多く乗ってしまいました。ST4ではS/N比が悪いとノイズが多くなり、画像の荒れ、ノイズの偏りが目立つようになるようです。
 彗星の尾はやはり、10月2日に比べると淡くなった(透明度・高度などの条件が違いすぎるので一概には言えませんが・・・)ようですが、ST4でなんとか捉えることができました。明るさも、暗くなってきたようで、今回は7×50では確認できませんでした inserted by FC2 system