ホワイトバランス設定


デジタルカメラでの重要なパラメータにホワイトバランスがあります。
しかし、通常、この設定は、CCD-RAWで保存する限りは、 後で現像ソフトで設定することが可能となっています。
WB設定は、あるデジカメ雑誌によると後でフォトレタッチソフトで調整するのはとても困難なため、
現像ソフトで設定すること、、、と、解説されています。
・・・本当にそうでしょうか?
実のところ、冷却CCDカメラで三色分解を行っている人はご存じだと思いますが、ステライメージではヒストグラムから簡易的にかつ簡潔にホワイトバランスをとることができます。
まあ、まずは作例をご覧ください。

WB設定:白色光蛍光灯 WB設定:昼光色蛍光灯

撮影場所は、完全に暗い空ではなく、浜松市郊外で光害が多いため、現像時のWBには光害の緑成分を抑えるため、蛍光灯を選択しています。
ところが、S2proには、蛍光灯といっても、白色光蛍光灯と昼光色蛍光灯とがあります。
ずいぶんと色が違ってきちゃいますね。
どちらが良いか?といわれてもなかなか難しいものですが、個人的な好みから言えば、白色光蛍光灯の方が好みです。
さて、現像ソフトで現像して上がってきた16bitTIFFファイルをステライメージ4にて、『RGB各プレーンごとに調整』にチェックを入れて、自動レベル補正をかけたのが下段です。

ステライメージ4にて自動レベル補正(白色光蛍光灯) ステライメージ4にて自動レベル補正(昼光色蛍光灯)

ほうらね。どっちもほとんど同じ色でしょう?
別に現像時のWBが『晴天』だって、ほとんど同じ色になると思いますよ。
だから天体写真で現像時のWBなんてあんまり意味ないですよ。ステライメージでの調整を前提としての話、ですけど。
逆にステライメージでの簡易WBを信じていいのか?と言われるとチョット困ってしまう面もありますが、冷却CCDを扱ってきた経験からいえば、非常に良好といえます。
また、RGBのバランスを揃えてくれているわけなので、非常に画像処理がやりやすくなるんです。
ただ、元もと12bitしかない画像を16bitに伸張して出力してくれるのが現像ソフトですから、あまりにヘンなの選ぶのはやめましょう。
実際、この比較画像でも完全に同一とはなっていませんからね。若干、違いが見られます。
そうはいっても、どっちが良い悪いというレベルの話になる程の差ではありませんけど・・。
さしあたっては、光害が残るところでの撮影なら『蛍光灯』のどちらか、通常では『晴天』で現像してやればいいと思うんですけどね。
あとはぱっと見で、自分の好みで現像してやればいいかなと思います。

ちなみに、、色温度を高く設定して現像してやれば赤味が増した画像が上がってきますが・・・
う〜ん・・
個人的には・・あまりお勧めはしません。
もしかしたら、極若干は赤い星雲に有利かもしれませんが、もともとHα星雲自体のS/Nはセンサ(CCD/CMOS)の量子効率とカラーフィルタの特性で決まってしまうので色バランスを後から調整するのであれば、あまり現像時の設定にこだわる必要はないように思うんですね。

S2PROネタは他にいろいろあったのですが、今夏のこの天気の悪さで、全然テストできず仕舞いでした (;_;)




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