光害地での撮影


一眼レフデジタルカメラも撮像素子にCCDを用いており、さらにデジタル化されたデータであるため、冷却CCDカメラ同様、対光害適正も高いものがあります。
下は冬場の透明度が澄んだ晩でしたが、それでも4等星が見えるか見えないかという街中で写したすばるです。

神奈川県相模原市で写したM45  135mmF2.8 望遠レンズ

露出はたぶん、3分だったと思いましたが、2枚の画像をコンポジットしています。
かなりの光害地であるにもかかわらず、メローぺ付近のガス星雲がちゃんと写ってくれています。
これは従来のフィルムでは考えられなかったことです。

ただし、光害地での撮影にあたって、いくつか考慮する点がありました。

■ISO感度は低めに。
強烈な光害で、ISO1600ではわずか30秒で飽和してしまいました。
ISO設定は必然的に低めに設定する必要があります。
ISO設定をあげて短時間露光をコンポジットするよりも、なるべく1回あたりの露出を伸ばす方向の方が美しい映像ができます。
また、ハイライト部・・・恒星が飽和してしまい、色が全くなくなるのも味気ないものですから、ISO設定は光害があることろではやや余裕を見て低く設定した方が良い結果を得ることができるでしょう。
上のM45の作例ではISO160を選択しています。

■強烈な周辺減光が生じる
光害地での撮影では、冷却CCDカメラであっても、強烈な周辺減光を生じます。
面積が広い一眼レフデジタルカメラでは、さらに深刻かもしれません。
しかも、冷却CCDカメラであれば、フラット補正で修正は可能ですが、現時点(2004.03)ではデジタル一眼レフカメラでのフラット補正は不可能ではないか、と言われています。
カメラ内部、もしくは現像処理という過程で演算が実行されてしまうデジカメにおいては適切なフラットフレームを得ることが難しいからです。

幸い、ステライメージ4には強力な周辺現行補正ツールが実装されています。
これを活用して、上手く補正してあげましょう。
最周辺まで補正しきることは難しいかもしれませんが、トリミングも活用して対処します。

135mmF2.8 ISO160 露出5分 1枚画像

光害が激しい街中でもちゃんとNGC2024(燃える木)もちゃんと写っています。
馬頭星雲こそ、写ってませんが、これはHα線への感度が低いS2PROではいつものこと・・。
コンポジットすれば馬頭も出てくることでしょう。
街中であっても、無光害地とほぼ遜色がない映像を得ることができる可能性を感じさられます。

周辺減光補正に関しては、もう少しいい手もありそうなので、またいずれ紹介しましょう。
とりあえず、参考にちょっとだけ作例をお見せします。

補正前
補正処理実行後 

わけあって、モノクロになってますが、周辺減光も割合綺麗に補正されて、とても光害の中での撮影とは思えないでしょう?
30年位昔の、トライXで撮影した写真を彷彿ささるような感じですね?
馬頭も補整処理で出てきましたね。
光害かぶり除去でレベル調整でより強調しやすくなったからかな。







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