フラットフィールディング
デジタルカメラではフラットフィールドできないと言われています。
その大きな理由は2つあると思います。
(1)メーカの現像処理等で、大きなトーンカーブ変更が加えられるため
(2)カラーなので、適切な光源が難しい。
の2点です。
(1)は同一条件・・・つまり光害を光源とするSkyフラットで同じだけの連続露出時間を与えれば、
解決する問題かもしれません。ただし、高S/N化を図るためには多数枚のコンポジット用画像が必要なわけで、
現実的ではありません。
(2)に関しては、一見白い光源で撮影したフラットを撮っても、いざ、それを使ってフラット補整して
みたら、色がかなり変わってしまうことがあります。
でも、難しいことを考える前にまずはやってみましょうよ。
Original画像 ISO400設定 BORG76ED+ケンコークローズアップレンズNo2使用 5分露光1枚 |
オリジナル画像です。50万人都市の浜松市からは10kmちょっとしか離れていませんが、
それでも天の川がしっかりと写るんですから、驚きです。
いくつかゴミが散見されますね (^^;
フラット画像 光源:薄明光 露出1秒 |
こちらフラット画像。
あっちゃあ、ゴミだらけですね (^^;;
中央部が異様に明るいのは、ケンコークローズアップレンズのせいだと思われます。
でも上だとあまり気になりませんよね。んじゃあ、これでフラット補正してみましょう!
フラットフィールド実行直後・・・ |
ありゃま、真っ赤になっちゃったよ。
これじゃあ・・・
でも、待った。レベル調整してみましょう。
僕は、ステラ4の自働レベル調整好きなので、良く使いますが、ともかくレベル調整をすると・・・
フラットフィールド後、レベル調整 |
ほらね、大丈夫でしょ。
でも、場合によっては色バランスが取りきれない場合もあるみたいです。
と、いうわけでやり方をもう少し考えてみましょう。
色情報があるから、フラット適用すると変色するわけで、、、、
フラット画像をモノクロ化して使ちゃえば、全然問題なくなるわけです。
モノクロ化フラット画像 |
じゃ、これを早速Original画像に適用!
モノクロ化フラット適用画像 |
ね、今度は一番上のOriginal画像と色の点ではまったく変化がないでしょ。
結局のところ、フラット画像の色情報さえなくしてしまえば、光源はなんでも良くなりますから、
自分などは、昼間の青空をパチリと写してフラット代わりに使ってみたりしています(けっこう使えます)
画像処理としてはともかくとして、フラット撮影に関してはずっと軽減されますからね。
モノクロ化フラット、いけてます。
でも、よーく見るとゴミって、補正しきれていないよねえ。
これの原因は(1)のせいです。光の強度が違うので、カメラ内の画像処理が作用して完全補正は難しいんです。
でも、もうちょっとゴミ軽減してくれると嬉しいですよね。
ってか、このままだとフラット補正した意味が余りないかも・・
んじゃあ、1回やってダメならもう1回やってみましょ。
モノクロ化フラット2回適用 |
お、なんかいー感じになったと思いません?
ゴミ痕がほとんど目立たなくなりましたよね。画像も1回フラットのものよりもフラットな感じになった感があります。
いずれにしても、完璧じゃあありませんけどね。
でも1回でダメなら2回、2回でダメなら3回・・・これで結構目立たなくなることはあるんですよ。
デジカメフラットも完璧を期待しないで、周辺減光・ゴミ痕軽減程度に考えれば、
撮影終了後に、青空でもCCD-RAWで撮っておいて、モノクロ化して使えば、
充分役割は果たしてくれます。
ただS2PROだと明るすぎるとうまくフラット画像にならずNGみたいで、暗めに撮るのがコツ。
あとISO設定は低めにした方がノイズが少なくてよさそう。
ゴミ補正はさすがにデジカメでは難しいようで、基本的には、まず、ゴミを付けないことが一眼レフデジカメの鉄則です。
でも、着いてしまってどうしても目立つ・・という場合は周辺減光補正も兼ねて、青空フラットをパチリと写してみてはいかがでしょうか。
ちなみに・・・光害地での撮像で行った周辺減光軽減処理は、フラット画像ではなくて、
ライトフレーム画像自らに細工して(スターシャープ&ぼかし)、星を消した周辺減光のみのマスク画像(シェーディング画像)を作成、それを使って補正したのが最後の画像というわけです。モノクロ化されていたのは色情報を持ったマスク画像では、
変色があったからで、とりあえずモノクロ画像で掲載しました。
この手法では、ゴミが目立つ結果になりましたから、結局はフラット画像に落ち着きました。