第一章:悲劇の幕開き
6月11日(土)空模様は悪く、先輩は集合時間になっても姿をみせなかった。
しかし天研部員一年生4名と部外者2名は、安易な考えのもとにその後に起こる悲惨な出来事を知らずに、定刻4:08分橋本発八王子駅、京王八王子駅に来た理由はいろいろとあったが、
悲劇はここから始まった。なんと時刻表を見ると、特急が10分後、各停が30分後でという悲惨さに出会ってしまった。高尾へ行くには次の駅で乗り換えればいいのだが、ぼくたちはあえて
特急に乗り込んでしまったのだった。
高幡不動駅、特急が最初にとまる駅である。僕たちは、ここで高尾山口行きの電車を待った。
一時的に晴れていた空も一変して
真っ黒な雲に覆われて大雨になった。
と、同時にそれは僕たちの心に高尾山に本当につけるのかどうかという疑問をわかせた。
運命の電車、高尾山口行きは来た。中にはたくさんの人がいた。ぼくたちはこれだけ人がいるのだから、最低でも5,6人ぐらいは
同じ目的の人がいるだろうと思った。しかし、僕たちは裏切られた。「めじろ台」「高尾」の両駅でほとんど
乗客はいなくなった。
1両目に仲むつまじいカップル、2両目カラ、3両目に僕たち6名、そして後続車両におばさんたちが4〜5人いるだけであった。もちろん、
同じ目的の人達はいない。