ししのトリオ銀河
VISAC望遠鏡 with Reducer X-E1 5分×10枚@ISO1600 
                                    

VISAC望遠鏡によるしし座のトリオです。
下手にノイズリダクションせず、自然な雰囲気になるように心がけて再処理してみました。
望遠レンズ風に書けば1280mmF6.4です。


本当は2時間分くらい撮るつもりでしたが、途中から曇られてしまい、泣く泣く5分×10コマです。
もしかしたら途中から薄曇もかかっていたかもしれません。

画像の方は、さすがにAPS-Cのデジタルカメラの画角は広いですね。
1280mmで3つの銀河が収まってしまいました。
肝心の描写の方ですが、思ったよりは良かったです。
少なくとも、デジタル一眼レフカメラのEOS40Dを使っていた時は、あまりVISACで撮影しようという意欲は出ませんでしたが、非ベイヤー配列、ローパスレスのX-E1では、背景ノイズがあるものの、キメが細かく、好感が持てるノイズです。
こういったノイズは、プリント時には、綺麗に印刷されるので、これを活かす方向で処理した方が良さそうです。
(当初はノイズを均す方向で処理したのですが、間違いだと気が付きました)
この画像は露出がやや不足していますが、冷却CCDカメラで撮影するときは、概ね2時間半ないし3時間程度の露出をかけますので、同じ位まで露出を伸ばした時にどうなるか、ちょっと興味深いところです。
とはいえ、S/Nの面では残念ながら、モノクロ冷却CCDカメラにはまだまだ及ばない印象です。

色彩は、さすがにフジは色が綺麗です。銀河の色合いはまずまず満足がいくものです。
彩度を上げた時に若干、色ずれが見られるのがやや気になりますが・・・処理のせいか、あるいはレデューサのせいなのか・・・(゚-゚;)ウーン

シンチレーションの面も大きいので、一概には言えませんが、構造描写の面では、まずまず出てくれていると思います。処理での追い込みもまだまだ可能ですので、この辺りも再検討した方が良さそうです。

TOAGによるガイドは、ひどく破茶滅茶だったのですが、星像は思ったよりは良かったです。
若干伸びているのは、ガイドエラーか、光軸か・・・
星が周方向にくずれているのは、専用レデューサを使いましたが、TOAGを2インチ接続したかった為に、バックフォーカスが長めになってしまったせいかと思われます。
次回接続構成を検討する必要がありそう。

ガイドカメラにはCMOSビデオカメラのASI120MMを使用したのですが、このカメラは高精細なので、当然ガイドグラフによるエラーも大きく出た・・・・んじゃないだろうねぇ、、きっと (´・ω・`)
オフアキの強度不足を疑うべきだと思います・・

さしあたり、X-E1とVISACでの系外銀河撮影は、かなり可能性を感じさせてくれるものだったと思えます。
条件が悪かった為、淡い部分はあまり出せていませんが、遠征すればもちろん、この部分は補われますし、ニワトリであっても、きちんと露出を行えば、しっかりとした描写が出来るのではないかと思われます。

ただ、冷却CCDカメラも所有している中で、X-E1とVISACの組み合わせを使いたくなるシーンは限られてきますね。系外銀河だとしし座のトリオの様に複数を収めたい時くらいしか活用性が無いかなー・・・
ただ、系外銀河のクローズアップ撮影をデジカメで行いたい場合には、X-E1はベストな選択の1つではないかと思えます。
とりあえず、及第点はあげられるだけの結果はありましたので、もう少し本格的な撮影もしてみたいと思っています。

S/Nという点ではやはり冷却CCDカメラには及びませんが、処理次第では十分楽しめそうな手応えです。
とはいえ、遠征で持ちだして使うのはちょっと厳しいかなぁ・・
VISAC+レデューサでの撮影ですが、この焦点距離で3つの天体が収まるのは魅力的ですが、やはり冷却CCDカメラでの撮影に比べると少々厳しい面を感じます。

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